この記事の3つのポイント
- JR東海山梨実験センター所長の古賀氏が取材に応じた
- 30年間の走行試験を経て「リニアは乗り物としては完成」
- リニアの肝は変電所に置く電力変換器で、車両側では超電導
リニア中央新幹線(以下、リニア)の開発が最終段階に差し掛かった。JR東海は既に営業線の基礎技術を確立し、開業に向けて維持コスト削減や保守の省力化に向けた検討に取り組む。2026年1月には「水問題」について静岡県と補償対応で合意した。当初予定していた2027年の開業は延期となったが、リニアの開業に向けた準備が着実に進みつつある。
「リニア実験線と呼ぶが、もう実験段階ではない」――。JR東海中央新幹線推進本部リニア開発本部山梨実験センター所長の古賀俊作氏は現状をこう語る。リニアで重要な車両の制御技術や超電導磁石を使った浮上システムの信頼性などを走行試験で長年確かめてきた。リニア開発のこれまでの経緯や今後の方針を古賀氏に聞いた。
鉄道のようにリニアの裾野を広くする
リニア開発の現状について教えてほしい。
リニアは乗り物としては完成したと考えている。1997年から2025年12月までのリニア実験線の試験走行距離は累積で約542万km、試乗人数は34万人以上になった。試乗後の感想ではリニアが想像以上に完成していると驚く人も多い。
リニア実験線と呼ぶが、もう実験の段階ではない。現在は営業を想定して運営・維持費を抑える方法を含めて検証している。営業速度である時速500kmで走り込み続け、信頼性を積み重ねることも重要な試験項目だ。
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高温超電導コイル採用へ「信頼性を検証」この記事は有料会員限定です

