すご腕の住宅検査員・長井良至氏が欠陥住宅を防ぐポイントを解説します。今回は、仕様の無断変更などでエアコンが効かなかった問題を取り上げます。日経ホームビルダー2016年10月号「凄腕検査員が見逃さない欠陥施工」を再構成しました。
下の写真は、8月上旬に瑕疵(かし)検査に入った住宅の室温を示したものだ。建物は鉄筋コンクリート造で築1年。2階にある約45畳のリビング・ダイニング・キッチン(LDK)内で、午前11時ごろに測定した。この日の天気は晴れ。室温は31℃だった。
ただし、これはエアコンを使用している状態の温度。LDKでは5.6kW、4.0kW、3.6kWの計3台のエアコンが稼働。さらにサーキュレーターが2台動いている。
エアコンの設定温度は20℃で、朝から運転しっ放しだ。にもかかわらず、室温が31℃以下にならない。この温度は、体を軽く動かしたり、仕事をしたりするには不快な環境だ。
エアコンの設置は請負工事に含まれていた。そこで、建て主は設計者と施工者に苦情を訴えた。しかし、取り合ってもらえなかったことから、瑕疵検査に至ったというわけだ。
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