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スイスの世界一高い3Dプリンター建築、30mの「白い巨塔」最高層に劇場

日経XTECH / 3/12/2026

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Key Points

  • 世界一高い3Dプリンター建築としてTor Alvaが完成、基礎を含めて約30mの高さを達成した。
  • 32本の柱を3Dプリンターで製作し、V字形に枝分かれする構造で荷重を支える新設計を採用。
  • 各層をらせん階段でつなぎ、最高層には劇場空間を設けるなど用途と形状が革新的。
  • ETH Zurichと地元のオリゲン文化財団が、過疎化が進むムルエンス村の再生支援施設として建設を計画・実施。
  • 2025年5月に完成、村の人口12人という現状を背景に地域振興の一環として注目を浴びる。

スイスの山あいの集落に、SF映画に登場しそうな高さ30mの「白い巨塔」が誕生した。荷重を支持する32本の柱を印刷して組み合わせた、世界一高い3Dプリンター建築だ。各層をらせん階段で結び、最高層に劇場を設けた。

 白いタワーの名は「Tor Alva(トール・アルヴァ)」。スイス東部のグラウビュンデン州にあるムルエンス村で、2025年5月に完成した。村の人口は同年時点で12人と消滅の危機に瀕していた。スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)と地元のオリゲン文化財団は村の再生支援施設として、タワーの建設を計画した。

3Dプリンター建築で世界一の高さを誇る白い塔「Tor Alva」。基礎を含めて約30mある(写真:Birdviewpicture)
3Dプリンター建築で世界一の高さを誇る白い塔「Tor Alva」。基礎を含めて約30mある(写真:Birdviewpicture)
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最高層の劇場空間(写真:Hansmeyer/Dillenburger)
最高層の劇場空間(写真:Hansmeyer/Dillenburger)
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 設計は、ドイツの建築家でコンピュテーショナルデザインの先駆者であるミハエル・ハンスマイヤー氏と、ETH Zurichのベンジャミン・ディレンブルガー教授が手掛けた。放置されていた小屋の屋根部分にコンクリートを打設して基礎とし、その上に4層のタワーを建てた。

 タワーはV字形に枝分かれする32本の柱で構成している。荷重を支持する柱は全て、建設3Dプリンターで製作した。高さは基礎を含めて約30mと、3Dプリンター建築では世界一だ。各層をらせん階段で結び、最高層には劇場を設けた。

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3Dプリント柱で荷重支持する世界初の多層建築物

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