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立ち止まれば崖は何度でも出現、レガシー再生産を防ぐ「DXの心得五カ条」

日経XTECH / 3/13/2026

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Key Points

  • 経営トップ・情報システム部門・事業部門がそれぞれ意識改革を迫られており、ITを戦略的資産として捉える組織変革が求められている。
  • 2025年の崖は過去の話ではなく、立ち止まれば第2の崖に直面するとのリスク認識を強調している。
  • 生成AIの急速な普及がデジタル対応の遅れを致命傷に変え得る現実を踏まえ、今すぐの対策が必要とされている。
  • 「DXの心得五カ条」として、ITをコストから武器へ再定義し、CIO/CDOの設置や外部CIOの招聘など権限・責任の明確化を提案している。
  • 実務面では経営トップのリーダーシップ強化とガバナンスの整備が第一手であり、組織全体の波及効果を見据えた具体的アクションを示している。

この記事の3つのポイント

  1. 経営トップ、情報システム部門、事業部門などがそれぞれ意識改革を迫られている
  2. 「2025年の崖」を越えても、立ち止まればすぐに「第2の崖」に直面し落ちる
  3. 新たな試練に備え、企業が今すぐ取るべき対策を「DXの心得五カ条」として整理

 「2025年の崖」は過去のものになったのか。本特集でここまで検証してきたとおり、答えは否だ。企業の約6割がいまだレガシーシステムを抱え、江崎グリコや中日本高速道路(NEXCO中日本)のように崖から転落した企業も現れた。2025年は過ぎたものの、崖は終わらない。

 むしろ、企業はこれから「第2の崖」とも呼ぶべき新たな試練に直面する。生成AI(人工知能)の急速な普及は、デジタルへの対応遅れを致命傷に変えかねない。本記事では、これまでの検証を踏まえ、企業が今すぐ取るべき対策を「DXの心得五カ条」として整理する。

(写真:スタジオキャスパー)
(写真:スタジオキャスパー)
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その一 経営トップ自ら、ITを「コスト」から「武器」へ再定義せよ

 「DX(デジタル変革)というワードに飛びついている経営者が多いが、既存システムに目が行っていない。そこがひも付いていない」。経済産業省の木村紘太郎商務情報政策局情報産業課AI産業戦略室室長補佐はこう指摘する。

 日本企業にはサラリーマン社長が多く、在任中にレガシー脱却という重い決断を避けようとする動機も働く。「ツケを後世に残すと、どこかで大きなトラブルに発展する」(木村氏)という問題の先送りが、まさに崖を生み続けてきた構造的な原因だ。

 海外企業がITをビジネスとともに育てる投資対象として位置づけるのに対し、日本企業の多くは現場の業務をサポートするコストとして捉えてきた。この根本的な認識のずれを正さない限り、ITガバナンスは機能しない。

 経営トップがITをコストセンターから競争力の源泉へと再定義し、CIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)を設置して権限と責任を明確にすることが最初の一手となる。外部からCIOやCDOを招聘(しょうへい)し、しがらみなく既存システムの膿(うみ)を出し切るという荒療治も有効な選択肢だ。

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「技術的負債」を人間ドックのように可視化せよ

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