スタートアップのマーケターがClaude Codeを使い倒したら、事業が4ヶ月で300%成長した話
このnoteに書いたこと✍️
①毎日の定型作業が、会話1回で完了した話
②戦略策定もデータ分析も、AIに委託した話
③画像も動画も、マーケター1人で外注ゼロで作れるようになった話
④AIを「自分専用」に育てる設定ファイルの中身
はじめに
スマートバンクで、「個人事業主向けの金融サービス」を新規事業として立ち上げ、マーケティングを担当しているtsukkyです。
昨年11月に、サイバーエージェントからスマートバンクに転職しました。
入社後、ありがたいことに担当事業の主要KPIが直近4ヶ月で300%成長しました。
そこまで事業を伸ばすことができているのも、AIの力なしには語れません。 特に最近は毎週のように大きなアップデートがあり「先週できなかったことが今週できるようになった」という状況が続いています。
一方で、毎週のようにAIのモデルや機能がアップデートされて、最新情報をキャッチアップするのも大変な日々です。
だからこそ、自分が仕事で実際に活用している内容を丁寧に書いてみます。
主に使っているのは Claude Code(Anthropicが開発したAI)です。
エンジニアが使うイメージが強いツールですが、コードを書かない自分でも、定型作業の自動化・データ分析・クリエイティブ制作まで、仕事の大部分をClaude Codeで回しており、Claude Codeなしでは仕事にならないほどの存在となっています。
長文になりますが、Claude Code以外のツール名やプロンプトの実例、実際の画面も共有しながら紹介していきます。
【補足】
・記事内のデータは社内情報を使えないため、架空のものを使用していますが、使い方は実際の業務と同じです。
・スマートバンクでは生成AIの業務利用にルールを設けており、個人情報の入力禁止・許可環境への限定・新規ツールの事前承認制を運用しています。
・本記事はPC画面のスクリーンショットを多用しているため、PCの方が読みやすいです。
1.毎日の定型作業を、会話1回で完了するようにした話
使ったもの: Claude Code(AI)、MCP、gog CLI
こういう仕事、ありませんか。
毎朝決まったシステムを開いて、昨日の数字を確認して、スプレッドシートに転記する。計算して、目標と比べて——気づいたら30分経っている。
営業なら受注データ、採用なら応募数、経理なら日次の入出金。数字を追う仕事はどの職種にもあって、その「集める作業」に毎日30分前後かかっていることは珍しくないはずです。
自分の場合は、複数の広告媒体(Meta・Google・TikTokなど)の実績を毎朝コピペして、CPA(顧客獲得単価)を計算する作業でした。
「集める」だけで30分。数字を使って「今日どうするか」を考えるのは、そこからさらに別の時間が必要です。
何をしているのか
今は、AIとこういう会話をするだけです。
・昨日の実績を聞いて「仮説とネクストアクションをちょうだい」と言う

・実績をもらう

これが1~2分で完了します。
また、AIに「スプレッドシートに記載しておいて」と伝えれば指示通りに動いてくれます。

もちろん、このように都度聞かなくても「毎朝6時に自動でシートに記載しておいて」とお願いして、自動更新させることも可能です。

どうやっているのか
① MCP(Model Context Protocol)を使う
MCPとは、AIが外部サービスに直接アクセスできるようにする仕組みです。
スプレッドシート、広告管理画面、データベースなど、これまで「手動でコピペ」していた情報を、AIが自分で取りに行けるようになります。
② gog CLIでスプレッドシートを読み取る/編集する
gog CLIというツールを使えば、スプレッドシートを直接触らずとも、データの読み取りや編集が自由自在にできるようになります。
「gogって何?」という方にはこちらの記事がわかりやすいのでおすすめです。
gogを使うと、スプレッドシートを一切触らずに、データベース→計画の作成までを一貫してできるのでとてもおすすめです。

この仕組み、マーケター以外でも使えます
この話、「自動化できた」「効率化できた」で終わりじゃないんです。
実は「決まった場所からデータを引っ張ってくる」だけなら、以前からAPIやマクロを使えばできました。自動化という意味では新しくない。
AIが違うのは、取得したデータを「高い精度で分析して、次の打ち手まで提案する」ところまで一気にやってくれることです。しかもその分析精度は、一人の人間が出せる水準を遥かに超えています。
さらに、普段使っているツール(広告媒体・スプレッドシート・Notion・Gmailなど)を全部AIに繋いでおくと、情報がAIとの会話に一元化されます。「あのデータどこだっけ」「これとこれを比べるには何を見ればいいんだっけ」という手間がなくなる。
つまり、毎日バラバラな場所に散らばっていた情報が一箇所に集まり、世界最高峰の頭脳がそれを読んで、施策を考え、実行までしてくれる。
これが単なる「自動化」との違いです。

営業の日報確認でも、経理の実績チェックでも、採用の応募数確認でも、同じ仕組みで使えます。
セットアップ方法の詳細は記事内では省きますが、試してみたい方はお気軽にDMください!
2. 戦略策定もデータ分析も、AIに委託するようになった話
使ったもの: Claude Code(AI)
定型作業が自動化されると、次に目が向くのは「考える仕事」です。
なぜこの数字が動いたのか。どこに予算を張るべきか。なぜユーザーが離脱しているのか。こういう問いに対して、一人で考えていると視野が狭くなります。
以前は、深い分析が必要なときはアナリストに依頼するか、自分でスプレッドシートと格闘するかでした。チームで議論しようにも、前提となるデータや背景を共有するところからまず時間がかかる。
そして「とりあえず感覚で動く」が増えていく。
複数のKPIが絡む計画こそ、AIに投げていい
少し自分の話をすると、前職のサイバーエージェントで経営企画チームに所属していた際に、事業計画やPLの作成をしていた時期がありました。
その際に、精度の高い計画を作ることが、いかに難しいかを身をもって痛感しました。特にサービスの会員数や広告費が大きくなるほど、新規獲得の数値やリピート率がわずかに変わるだけで、年間計画に億単位のインパクトが出ます。
また、事業計画は「新規獲得数・リピート率・単価」などの複数のKPIが絡み合って複雑になりがちです。だからこそ、シミュレーションの精度が重要で、事業判断を左右します。
このような「事業計画のロジックを、精度高く組み立てられる」仕事こそ、AIが力を発揮しやすい領域です。
例えば、チャネル別に単価もリピート率も異なる下記のようなデータがあるとします。

このデータを元に、例えば
このデータを元に:
① チャネル別のLTV・ROIを計算してください
② その結果を踏まえて、来月の追加予算100万円をどう配分すべきか具体的な金額で提案してください
と聞いてみると、妥当性のある回答がすぐに返ってきます。

1つの例だと伝わりにくいかもしれませんが、アナリストやエンジニアを介さずに、これがあらゆるデータに対してできるようになる、というのが本質的なインパクトです。
実際に自分が使っている例を挙げると
コホート分析:月別の新規ユーザーが、3ヶ月後にどれくらい残っているかを自動で集計・比較
LTV試算:チャネル・獲得経路ごとに、リピート率と単価からLTVを計算して並べる
クリエイティブ効果の比較:同じ期間に走った広告ごとに、CPAとCVRをまとめてどれが効いているか判断する
どれも「Excelやスプレッドシートで頑張ればできる」ものですが、Claude Codeに投げると精度の高いアウトプットが数分で返ってきます。
ただし、前提として「データ基盤」が必要
実際にやってみて気づいたこともあります。
どんなにAIが賢くても、データが間違っていたり、AIとデータが接続されている環境がなければ意味がありません。
たとえば自分は、数値だけでなく、クリエイティブの分析にもAIを使っています。
広告媒体からパフォーマンスの低いクリエイティブ名を取得して、「なぜ反応が悪いのか」の仮説をそのままAIに出してもらう、という流れです。

これができるのは、広告媒体・スプレッドシート・Google Drive・Notion・データベースが全てAIと繋がっていて、数値データもクリエイティブも、AIと会話できるように一元化されているからです。
また、社内では「Ask ワンバン」という、自然言語でデータを引き出せる分析ツールも内製されています。エンジニアでなくても、SQLを書かずに必要なデータにアクセスできる環境があります。
どれだけ賢いAIがあっても、活用できるデータがなかったり、AIと接続されていなければ宝の持ち腐れです。「AIの使い方」と同じくらい、「AIにデータを繋ぐ設計」に投資することが重要だと感じています。
3. 画像も動画も、マーケター1人で外注ゼロで作れるようになった話
使ったもの: nano banana pro、Sora2、Claude in chrome
広告素材づくりにかかっていた「依頼と待ち時間」
新しいクリエイティブを試したいと思ったとき、「企画書を作成→デザイナーに発注→レビュー→修正→入稿」という往復が発生し、3〜5日かかるのが一般的です。
クリエイティブに使用する新しい素材が必要なときは、インフルエンサーさんに提供してもらったり、撮影をしたりと、更にコストもかかります。
しかも「やってみなきゃわからない」アイデアは、発注しにくい。成果が出るかわからないものに工数とお金をかけてもらうのは申し訳ない——という心理的なブレーキもありました。
しかし今は、あらゆるクリエイティブがAIで作成できます。
実際に、AIで生成したクリエイティブが複数のヒット素材になり、直近で主要KPIが大きく成長した要因の一つになっています。「作れるものの幅が広がった」だけでなく、成果にも直結しました。
既存の素材を渡せば、8〜9割まで仕上がる静止画
Nanobanana Pro(Geminiベースの画像生成AI)を使えば、既存の素材を渡してリサイズや加工をお願いするだけで、かなりのところまで仕上がります。「この画像を1080×1080にして、余白を整えて」といった指示がそのまま通る。
プロンプト1つで完璧なものを作り切るのは、正直まだ難しい場面もあります。
ただ、元々の素材が少しでもあれば8〜9割の完成度には持っていける。あとは細部を整えるだけ、という状態まで来ます。

ちなみに半年くらい前だと、生成した画像に文字化けが頻発して、広告素材としては使い物にならないことが多かったです。それが今はだいぶ実用的なレベルまで来ています。
自分もまだ試行錯誤中ですが、「背景だけ変えたい」くらいの用途なら、かなり完成度の高いものが出せるようになりました。

また、デザインツールのCanvaと組み合わせると、さらに幅が広がります。
Chromeの拡張機能「Claude in Chrome」を使うと、ブラウザ上の画面をAIが直接「見ながら操作」できます。
Canvaの画面を開いたまま、例えば「色味を全体的に青から、春っぽい時流のピンクにして」と言えば、そのままデザインの調整方向を出してくれます。

動画も、テキストで生成する
動画制作の話をすると「大変そう」と言われますが、今は思ったよりシンプルです。
Sora2(OpenAI製の動画生成AI)にテキストで指示を入れると、数分で動画が生成されます。
例えば
「同棲中のカップル、自宅でスマホを見ながら家計を確認、笑顔で話し合う、ナチュラルな部屋、やわらかい夕方の光」
というプロンプトを作れば、数分後には動画が出来上がっています。
ただ、没になるシーンも多々あります。10本生成して2〜3本使えれば十分、というくらいの感覚です。
動画は特に「プロンプト1発で完成」とはいかない領域で、特に全体を通したストーリー性のある映像は難しいです。
無理にAIですべてをやろうとするより、既存の素材やツールと組み合わせていく方が今はまだ早いしクオリティも高いなと感じます。

4. AIを「自分専用」に育てる設定ファイルの中身
使ったもの: Claude Code
AIをマネジメントする、という仕事
AI時代に必要なスキルとして「良いプロンプトが書ける」「ツールを使いこなせる」がよく挙げられます。もちろんそれも大事ですが、使い続けていて気づいたことがあります。
それは、AIで自分が何をしたいのかを言語化できるか、という点です。
AIはこちらが求めることしかやりません。「なんとなく使う」と「目的に合わせて動かせる」の差は、AIの性能ではなく、使う側の言語化能力の差だと感じています。
そして、言語化が蓄積されるほど、AIは学習してアウトプットの精度も上がります。Claudeには、自分の目的や文脈を記録しておく仕組みがあるので、実際に自分が使っているものを紹介します。
① CLAUDE.md — 行動原則を書く
Claudeには、毎回の会話の冒頭で自動的に読み込まれる設定ファイルがあります。CLAUDE.md というものです。自分が設定しているものの一部がこちらです。
### 自律動作の原則
・判断して進む(確認を最小化する)
小さな技術的判断は自分で決めて実行する。いちいち確認しない。
「どうしますか?」と聞くのは、方向性そのものが不明な時と 取り消せない破壊的操作の直前だけ。
・長く動く(途中で止まらない)
エラーが出た場合、同じアプローチを繰り返さず 代替手段を自分で考えて試す。
タスクが完了してから判断・問題をまとめて伝える。AIを使う全てのシーンにおいて「作業中に細かい確認でいちいち止まらないでほしい」という自分の好みを書いています。
これだけで、毎回同じことを説明したり、自分の確認を待ってAIが作業を止めることが少なくなります。
② MEMORY.md — 記憶を持続させる
会話が途切れたり新しくなっても「覚えておいてほしいこと」を書くファイルです。MEMORY.md というものです。自分が設定しているものの一部はこうです。
## 広告アカウント一覧
- ●●●●(自社): act_●●●●(デフォルト)
- ●●●●(代理店経由): act_●●●●
## ユーザー設定
- ●●●●の操作は確認不要で自由に実行してよい
- ●●●●が渡されたら、必ず●●●●で処理する。●●●●は使わない。
## MCP接続サービス
- meta-ads(広告媒体)
- google-sheets(スプレッドシート)
- notion(社内ドキュメント)
- google-drive(ファイル管理)
広告アカウントのIDと名前の対応、よく使うシートの構成、自分の好みの動き方——これを書いておくと、毎回説明しなくても把握した状態で動いてくれます。
③解説ルール — 技術作業の後、自動で「説明」もセットで出す
エンジニア的な作業を行った場合、作業後にその場で
非エンジニア向けに「何をしたか・なぜそうしたか・仕組み」を
平易に解説すること。退屈な技術説明ではなく、
比喩や具体例を使って分かりやすく。自分はエンジニアではないので、技術的な処理をしてもらった後に「何をしたか分からない」ということが起きがちでした。
これを書いておくだけで、毎回聞かなくても自分にわかる言葉で解説してもらえるようになります。

言語化が、アウトプットの質を決める
AIを使いこなすとは、AIの操作を覚えることではないと感じています。自分の仕事をいかに言語化できるか、ということだと思います。
何をゴールにするか。どういう判断基準を持っているか。誰に何を伝えたいか。これが明確であるほど、AIのアウトプットは精度が上がります。
逆に、AIが返してくる答えの質が低いとき、原因の多くは目的の曖昧さにあることが多いなと感じます。
この章で紹介した設定は多くの人におすすめできるものですが、同時に「自分の仕事で、何をAIにやらせたいか」を考えてみることの方が、結果的には近道かもしれません。
このサイクルが、成果を作る
この記事で紹介した4つは、バラバラな話ではありません。
自動化する → 分析で勝ちパターンを見つける → 施策を実行する→AIが学習する
このサイクルをAIで回し始めると、質もスピードも上がり、成果が出やすくなる。
さらに、そのサイクル自体や自分の思考・判断基準をAIに学習させ続けることで、使えば使うほど精度が上がっていく。それがCLAUDE.mdやMEMORY.mdの役割です。

おまけ:地味に便利な使い方たち
ここまで4章に分けて書きましたが、もっと地味なところでも日常的に使っています。
Gmailから領収書を自動ダウンロード
「先月分の領収書、Gmailから全部ダウンロードしておいて」——これだけで経費精算用のファイルが揃います。メールを1通ずつ開いて保存する作業が消えました。

Googleカレンダー連携
「来週の候補日を3つ出して」「このメールへの返信ドラフトして」も話しかけるだけでできます。
「AIに何ができるか」を覚えようとするより、「これってAIに頼めるかも」という発想を日々積み上げていく方が、活用の幅が広がると感じています。
おわりに
AIがすごいほど、ボトルネックは自分自身になる
AIを使えば使うほど、痛感することがあります。自分が深く理解している領域は、AIをフル活用できる。でも知識や経験が薄い領域では、聞き方も雑になるし、返ってきた答えの良し悪しも判断できない。
AIがいるから自分の能力を鍛えなくていい、というのは大きな勘違いだと感じています。
むしろ逆で、AIの質を引き出せるかどうかは、自分の能力や解像度がそのままボトルネックになる。これはまだ自分自身、日々実感しながら試行錯誤しているところです。
「想像できるか」が肝
今の時代、実装の壁はどんどん下がっています。コードが書けなくてもサービスが作れる。デザイナーがいなくてもクリエイティブが作れる。「やりたいこと」さえ明確なら、かなりの水準まで一人で持っていける。
だからこそ、問われるのは「何を作りたいか」「どんな状態がいいか」を具体的に描ける力です。その想像力は、自分が積んできた経験、インプット、思考の量にそのまま比例するなと感じます。
楽しみながら、無邪気に触り続けること
「AIが使えそう」「今はまだ難しそう」「将来的にはできるようになりそう」
これらの感覚は、自分の手で触りまくって、何度も試して初めてわかります。頭で理解しようとするより、手を動かした数が全てだと思っています。
自分もまだ試行錯誤の途中ですが、とにかく楽しみながら、無邪気に試し続けることが一番の近道だと感じています。半年前と比べると、出来ることの幅も大きく広がっているのを実感しています。
スマートバンクはAIへの投資を積極的に進めており、社内でもさまざまな場面で活用が進んでいます。
自分自身、スマートバンクに入社してからAI活用のスピードが一気に上がりました。
データ基盤が整っている環境で、良い問いを立て続けられる。それだけで、以前は出せなかったアウトプットが出せるようになってきました。
今はAIの進歩が凄まじく、自分が努力して成長するというより、進化し続けるAIに乗っかるだけで、高速道路に入ったように前に進める時代だと感じています。
その恩恵を最も受けやすい環境で働けているのは、素直に恵まれているなと思います。
もしスマートバンクに少しでも興味を持っていただけたら、ぜひお気軽にお声がけください!
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