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ニコン、次期社長に託す「脱インテルショック」 背水の半導体

日経XTECH / 3/11/2026

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Key Points

  • ニコンは2026年4月1日付で専務執行役員CTOの大村泰弘氏を社長兼CEOに任命し、復活を目指す。
  • 同社は2026年3月期に過去最大の850億円の最終赤字を見込む中、半導体事業を成長の鍵と位置付けている。
  • 大村氏は光学技術に強く、特にArF液浸露光装置の開発を主導し、2029年にプロトタイプ機の出荷を計画している。
  • ニコンは半導体露光装置市場でシェアを大幅に失い、業界トップのASMLやキヤノンに大きく遅れを取っている状況にある。
  • 半導体露光装置市場での競争激化によって販売台数が減少しており、今後の新製品投入と技術開発が経営再建の鍵を握る。
右から順にニコン会長兼CEOの馬立稔和氏、専務執行役員CTOの大村泰弘氏、社長兼COOの徳成旨亮氏(写真:日経クロステック)
右から順にニコン会長兼CEOの馬立稔和氏、専務執行役員CTOの大村泰弘氏、社長兼COOの徳成旨亮氏(写真:日経クロステック)
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 ニコンは2026年4月1日付で専務執行役員CTO(最高技術責任者)の大村泰弘氏が社長兼CEO(最高経営責任者)に就く。同年3月期に過去最大となる850億円の最終赤字を見込む中、復活の鍵を握るのが半導体事業だ。主力の露光装置で人工知能(AI)ブームに乗り遅れ、一人負けしている。光学技術者として露光装置の開発を主導してきた大村氏が、経営者として手腕を発揮できるかが問われる。

 大村氏は同年2月12日の記者会見で、ニコンが投資すべき領域として半導体をまず挙げた。とりわけ開発中のArF(フッ化アルゴン)液浸露光装置の新製品への期待を口にした。最先端のロジック(演算用)半導体やメモリーの製造に使う装置だ。大手半導体メーカーと共同開発しており、2029年3月期にプロトタイプ機を出荷する。

 ニコンはかつて半導体露光装置で世界トップシェアを誇ったが、現在の金額ベースのシェアは数%にとどまる。業界最大手のオランダASMLホールディングやキヤノンに対し、AI半導体向けなどの製品投入で後手に回った。

 ニコンの半導体露光装置の販売台数は、2023年3月期の45台から25年3月期には28台に減った。2026年3月期も29台にとどまる見込みだ。対してキヤノンはAI半導体製造の後工程向けが好調で、露光装置販売台数は2024年12月期に233台、2025年12月期は234台だった。

 ASMLはArF液浸露光装置の市場が立ち上がった2000年代、生産性の高さでニコンを圧倒しシェアを伸ばした。2010年代にはニコンやキヤノンが断念したEUV(極端紫外線)露光装置の開発に成功。台湾積体電路製造(TSMC)や韓国Samsung Electronics(サムスン電子)などへ累計300台近くを販売した。1台300億円を超えるEUVの市場を独占したことで、半導体製造装置全体でも世界首位となった。

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