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吹雪でも「一給油1200km超」、ディーゼルの底力 HEVより経済的?

日経XTECH / 3/15/2026

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Key Points

  • 欧州市場でディーゼル車の販売は縮小する一方、実走燃費の良さという価値は依然として評価されている。
  • VWの排ガス不正と厳格な排ガス規制がディーゼルの信頼性・普及に影響を与え、EVへ舵を切る動きが加速している。
  • EV/HEVの参入障壁が低い点やコスト構造の違いが、ディーゼルにしかないメリットの評価を難しくしている。
  • マツダCX-60を876km走行させた実燃費テストを通じて、ディーゼルの現状と今後の役割を再評価している。
マツダ「CX-60」。試乗した車両のパワートレーンは直列6気筒ディーゼルに簡易ハイブリッド技術を組み合わせたものだ(写真:日経Automotive)
マツダ「CX-60」。試乗した車両のパワートレーンは直列6気筒ディーゼルに簡易ハイブリッド技術を組み合わせたものだ(写真:日経Automotive)
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 ディーゼルエンジンが姿を消しつつある。世界的に見ても、乗用ディーゼル車の販売台数は確実に減少している。かつてのディーゼル王国・欧州では、販売台数がピークから73%も落ち込んだ。だが、一消費者として本当に「ディーゼルは過去の存在」と言い切ってしまっていいのだろうか。マツダ「CX-60」で長距離を走りながら、逆風の中にあるディーゼル車の「いま」を確かめてみた。すると、驚きの燃費が計測できた。

 元々、欧州は日本のハイブリッド車(HEV)に対抗するため、ディーゼル技術の高度化に国家・産業を挙げて取り組んできた。コモンレール化やターボ技術の進化により、かつてのうるさい・環境に悪いというイメージも払拭し、「クリーンディーゼル」といううたい文句で欧州市場では乗用車の主役にまで上り詰めた。

 ディーゼル車衰退の元凶となったのがドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)による排ガス不正問題「ディーゼルゲート」である。2015年9月、排ガス試験時のみ浄化性能を高める不正ソフトウエアの存在が発覚。環境性能を武器にしてきたディーゼルの信頼は一気に失墜した。

 加えて、欧州委員会(EC)の厳しい環境規制がこれに追い打ちをかける。次期排ガス規制が2026年から始まると尿素噴射装置2つが事実上必須とされ、元々ガソリン車よりコストが高いディーゼルに、さらなる負担がのしかかる構図となった。

 こうして欧州メーカーはディーゼル車から電気自動車(EV)へと大きく舵(かじ)を切った。ただし、EVは構造が比較的シンプルで、エンジン車のような燃焼・加工技術の蓄積を必要としない。参入障壁が比較的低い。その結果、エンジン車では日欧勢に後れを取っていた中国メーカーが、電動車市場で急速に存在感を高めるという逆転現象が起きている。

CX-60は直列6気筒ディーゼルエンジンを縦置きするFR(前部エンジン・後輪駆動)レイアウトを採用する。そのため、FF(前部エンジン・前輪駆動)車と比べて前後の質量配分を最適化しやすい(写真:日経Automotive)
CX-60は直列6気筒ディーゼルエンジンを縦置きするFR(前部エンジン・後輪駆動)レイアウトを採用する。そのため、FF(前部エンジン・前輪駆動)車と比べて前後の質量配分を最適化しやすい(写真:日経Automotive)
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 ディーゼル乗用車は、今後さらに縮小していく可能性が高い。商用車や一部の大型車を除けば、ラインアップから静かに姿を消していくのかもしれない。だがそれでも、ディーゼルにしかない価値は確かにあるはずだ。カタログスペックではなく、実走でそれを確かめてみたい。そこで今回、マツダのCX-60を借り出し、876kmを一気に走破。その実燃費と走りの質感から、ディーゼルの現在地を探ることにした。

 試乗したのは排気量3.3L、直列6気筒ディーゼルエンジンに48Vの簡易ハイブリッド機構を組み合わせたグレードである。走行ルートは約8割が高速道路、残りの2割が一般道。走行前に満タン給油し、走行後に再び満タンにして実使用燃料を計測する、いわば昔ながらの満タン法で燃費を算出した。ドライブモードは「ノーマル」に固定し、速度は周囲の流れに合わせる。特別なエコランはしていない。

 条件は決して有利ではなかった。試乗車はスタッドレスタイヤを装着し、天候は雪。区間によっては渋滞も発生していた。さらにエアコンは25度設定。燃費という観点では、むしろ不利な要素がそろっていたと言っていい。

 それでもなお、結果は驚異的だった。

ディーゼルは燃料に軽油を使用する。日々の燃料代を抑えらえるため消費者としてはありがたい。そこで同車格のHEVと燃料代の価格差を計算してみた(写真:日経Automotive)
ディーゼルは燃料に軽油を使用する。日々の燃料代を抑えらえるため消費者としてはありがたい。そこで同車格のHEVと燃料代の価格差を計算してみた(写真:日経Automotive)
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驚異的な燃費とともに見えた弱点

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