JR金沢駅西口に、北國銀行を傘下に持つCCIグループ(金沢市)のビル「Hirooka Terrace」が開業した。隣接する銀行本店ビルと連携しつつ、金融機関をハブとする地域の新拠点を目指す。
加賀百万石の街、金沢。北陸新幹線の長野─金沢間が2015年に開通して以来、観光地として人気が高まっている。兼六園などの有名スポットが集中するJR金沢駅東側に対し、金沢港に至る西側は、03年1月に県庁が移転した後、新オフィス街として開発が進み始めたエリアだ。
金沢駅西側で14年に竣工した北國銀行本店ビル。その隣で25年9月、新たに開業したのがテナントオフィスビル「Hirooka Terrace」だ。改札を出てすぐ建物が見える駅前の好立地。グリッドデザインのファサードで統一感を持たせた2つのビルが並ぶ。本店ビル1階のエントランスホールの延長にHirooka Terraceのエントランスが続き、地域住民には雪や雨、日差しを避ける通路として利用されている。
半屋外空間を随所に配置
Hirooka Terraceのけやき大通りに面した正面ファサードには、1階から屋上まで吹き抜けや階段でつながった半屋外空間のテラスが連続する。多様な世代や職種の人たちが行き交い、偶発的な出会いを誘発する役割を果たすとともに、光と風を感じられる快適な空間としても機能する。
1階のエントランスホールは、けやき大通りに向かって引き戸で全開放できるようにして、建物と大通りとの一体感をつくった。外階段があるテラスや内部のステージ階段は、イベントやミーティングにも活用でき、人々が気軽に交流できる工夫が随所に盛り込まれている。
2階には駐車場とラウンジを配置し、大きな引き戸をフルオープンにするとひとつながりの空間になるユニークな設計とした。暗くなりがちな駐車場に開放感をもたらし、ラウンジと一体でイベント利用することも可能だ。
本店ビルに続き、設計を担当した三菱地所設計建築設計四部の住谷覚シニアアーキテクトは「プロジェクトが始まったのが新型コロナウイルス禍の時。自然換気窓を全開にしている本店ビルのオフィスを見て、半屋外空間を積極的に取り入れたいと考えた」と振り返る。
兼六園の成巽閣にある茶室「清香軒」には建具の開閉により、夏は風が通る外部空間に、寒い冬は内部空間に変える「内露地」というスペースが設けられている。北陸の気候に適した伝統的建造物もヒントになった。
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