半導体メモリーのDRAM不足への懸念を自動車メーカーが強めている。東海理化は在庫を積み増す。アイシンは価格高騰が進めば部品価格への転嫁を検討する。車両生産への影響は顕在化していないが、DRAM使用量の多い電機メーカーでは一足先に影響が出始めた。車部品各社が対策に動き始めた。
「とうとう来たな」。スイッチ部品などの東海理化収益改革本部本部長の篭橋榮治氏は2026年3月期第3四半期決算の記者会見で、自動車部品向けのDRAM不足の懸念が高まっていると指摘した。
DRAMはコンピューターのメインとして使われる高速な揮発性半導体メモリーのことで、東海理化は電子制御ユニット(ECU)関連部品でDRAMを採用している。「今のところ影響は顕在化していない」(篭橋氏)と話すものの複数社からの調達への切り替えや在庫の積み増しなどを進めていると説明した。
デンソーやアイシン、豊田自動織機も警戒を強める。デンソー代表取締役副社長の松井靖氏は「DRAMの価格高騰が続いており、貴金属などとともに部材費が高騰する要因になっている」と指摘した。長期を見据えた発注をすることに加えて、需要予測の厳密化や価格の適正化などで対策していくとする。
豊田自動織機執行職事務統括の高木博康氏は「サプライチェーン上のリスクがかなり広範囲にわたり対策が難しいが、仕入れ先を含めて考えていきたい」と話した。
DRAM価格の高騰が続けば業績への影響が生じかねない。アイシン グループ経営戦略本部本部長の近藤大介氏は「半導体の高騰の影響が出てくるようなら得意先と相談して価格に転嫁する努力をしていく」と話し、部品価格への反映を示唆した。
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