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裏目に出た建設残土の活用、土質試験結果踏まえず護岸が不安定に

日経XTECH / 3/20/2026

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Key Points

  • 施工現場で背面埋め戻しに建設残土を用いる変更が護岸の安定性に影響した。
  • 会計検査院が東京都の設計を不適切と指摘した。
  • 土質試験にはせん断抵抗角、単位体積重量、粘着力などの項目が示されていたが、都はせん断抵抗角のみを根拠に安全判断し、他の諸定数を考慮しなかった。
  • 事例は材料選定と検査審査プロセスの不備が護岸リスクを招いたことを示し、今後の監督強化が課題となる。

砂防堰堤(えんてい)の工事で、埋め戻しに用いた建設残土の性状確認に不備があり、側壁護岸の安定性に問題が生じた。当初予定していた改良土よりも単位体積重量が大きく、粘着力が小さかったからだ。

 東京都が進めている砂防事業で、会計検査院から設計が不適切との指摘があった。問題視されたのは、2022年度に施工した砂防堰堤の側壁護岸だ。護岸の高さは3.25~7mで、堰堤の左右に延長計26.47mにわたって構築した。セメントなどを混ぜた改良土で背面を埋め戻す設計だったが、施工者からの申し出で建設残土を利用するよう変更。それがあだとなった。

側壁護岸の施工に不備があった砂防堰堤(写真:東京都)
側壁護岸の施工に不備があった砂防堰堤(写真:東京都)
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 埋め戻し土の変更に当たって施工者が都に提出した建設残土の土質試験の結果には、せん断抵抗角の他、単位体積重量、粘着力などが示されていた。しかし、都はせん断抵抗角が当初設計よりも大きいことだけを見て安全だと判断。他の設計諸定数を考慮せずに変更を認めた。

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特記仕様書に他の諸定数の記載なし

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