サイバー攻撃の多くはソフトウエアの脆弱性(セキュリティー上の欠陥)を悪用する。このため、ソフトウエアベンダーが提供する修正プログラム(パッチ)を適用し、脆弱性を解消することが重要なセキュリティー対策になる。
だが、この対策が通用しないサイバー攻撃がある。「ゼロデイ攻撃」だ。ゼロデイ攻撃は、パッチがまだ公開されていない段階の脆弱性(ゼロデイ脆弱性)を悪用する。パッチが存在しないため、事前の防御が難しい。
米Google(グーグル)は2026年3月上旬、2025年に確認したゼロデイ攻撃の詳細をリポートにまとめて公表した。リポートを基に、その危険な現状を解説する。
企業向け製品を狙う比率が過去最高に
2025年に悪用が確認されたゼロデイ脆弱性は90件だった。2024年の78件を上回り、過去最多である2023年の100件や2021年の96件に迫った。ゼロデイ攻撃に使われた脆弱性の数は2021年に急増し、それ以降は60~100件の範囲で推移している。2025年の90件は、「想定の範囲内」とグーグルは評価している。
ゼロデイ攻撃を受けた製品をベンダー別で見ると、米Microsoft(マイクロソフト)が25件で最も多く、グーグルが11件、米Apple(アップル)が8件で続く。多くの製品を扱っている大手ベンダーがゼロデイ攻撃を多く体験し、米Cisco Systems(シスコシステムズ)や米Fortinet(フォーティネット)といったセキュリティー製品ベンダーが続く(いずれも4件)。このような傾向は2024年と同様だという。
20社のベンダーはそれぞれ1製品のみがゼロデイ攻撃を受けた。これについてグーグルは、「攻撃者は目的の企業や組織に侵入するために、様々なベンダーの製品を狙っていることを示している」と指摘している。
2025年におけるゼロデイ攻撃の特徴の1つとしてグーグルは、企業向け製品が狙われたことを挙げる。ゼロデイ攻撃を受けた製品を企業向けとエンドユーザー向けに分類したところ、企業向けが48%、エンドユーザー向けが52%で、企業向けの比率は2024年の46%から微増して過去最高を記録した。
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