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事前防御は困難、1年で90件の脆弱性を悪用 「ゼロデイ攻撃」の危険な現状

日経XTECH / 3/18/2026

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Key Points

  • 2025年に確認されたゼロデイ脆弱性の悪用件数は90件で過去最多に迫り、2024年の78件を上回った。
  • ゼロデイはパッチが未公開の脆弱性を突く攻撃であり、事前防御が難しいという現状を示している。
  • 攻撃が狙うベンダーはMicrosoftが最多の25件、Google11件、Apple8件で、規模の大きい企業向け製品を対象にする傾向が続いている。
  • 2025年の特徴として企業向け製品の狙われ方が過去最高の割合(企業向け48%対エンドユーザー向け52%)となり、企業を標的とする攻撃が増加していることが読み取れる。

 サイバー攻撃の多くはソフトウエアの脆弱性(セキュリティー上の欠陥)を悪用する。このため、ソフトウエアベンダーが提供する修正プログラム(パッチ)を適用し、脆弱性を解消することが重要なセキュリティー対策になる。

 だが、この対策が通用しないサイバー攻撃がある。「ゼロデイ攻撃」だ。ゼロデイ攻撃は、パッチがまだ公開されていない段階の脆弱性(ゼロデイ脆弱性)を悪用する。パッチが存在しないため、事前の防御が難しい。

 米Google(グーグル)は2026年3月上旬、2025年に確認したゼロデイ攻撃の詳細をリポートにまとめて公表した。リポートを基に、その危険な現状を解説する。

企業向け製品を狙う比率が過去最高に

 2025年に悪用が確認されたゼロデイ脆弱性は90件だった。2024年の78件を上回り、過去最多である2023年の100件や2021年の96件に迫った。ゼロデイ攻撃に使われた脆弱性の数は2021年に急増し、それ以降は60~100件の範囲で推移している。2025年の90件は、「想定の範囲内」とグーグルは評価している。

ゼロデイ攻撃に悪用された脆弱性(ゼロデイ脆弱性)の数の推移
ゼロデイ攻撃に悪用された脆弱性(ゼロデイ脆弱性)の数の推移
(出所:グーグル)
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 ゼロデイ攻撃を受けた製品をベンダー別で見ると、米Microsoft(マイクロソフト)が25件で最も多く、グーグルが11件、米Apple(アップル)が8件で続く。多くの製品を扱っている大手ベンダーがゼロデイ攻撃を多く体験し、米Cisco Systems(シスコシステムズ)や米Fortinet(フォーティネット)といったセキュリティー製品ベンダーが続く(いずれも4件)。このような傾向は2024年と同様だという。

ゼロデイ攻撃に悪用された脆弱性(ゼロデイ脆弱性)のベンダー別内訳
ゼロデイ攻撃に悪用された脆弱性(ゼロデイ脆弱性)のベンダー別内訳
(出所:グーグル)
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 20社のベンダーはそれぞれ1製品のみがゼロデイ攻撃を受けた。これについてグーグルは、「攻撃者は目的の企業や組織に侵入するために、様々なベンダーの製品を狙っていることを示している」と指摘している。

 2025年におけるゼロデイ攻撃の特徴の1つとしてグーグルは、企業向け製品が狙われたことを挙げる。ゼロデイ攻撃を受けた製品を企業向けとエンドユーザー向けに分類したところ、企業向けが48%、エンドユーザー向けが52%で、企業向けの比率は2024年の46%から微増して過去最高を記録した。

2025年にゼロデイ攻撃を受けた企業向け製品とエンドユーザー向け製品の割合と内訳
2025年にゼロデイ攻撃を受けた企業向け製品とエンドユーザー向け製品の割合と内訳
(出所:グーグル)
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誰がゼロデイ脆弱性を悪用しているのか

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