宮城県涌谷町の涌谷大橋で耐震補強工事中に橋脚の張り出し部が折れたのは、工事の影響で生じたPC(プレストレストコンクリート)鋼線の緩みが原因の可能性が高いことが日経クロステックの取材で分かった。この橋では、建設後に橋脚の上部を張り出させて歩道部を増設。その際、PC鋼線を張り出し部の端部から反対側端部に回してUターンさせる異例の構造を採用していた。工事を発注した県は、事前にPC鋼線の存在を把握していなかった。
涌谷大橋は江合川に架かる10径間鋼単純鈑桁(ばんげた)橋で、1957年に完成。歩道を増設するため、69年にコンクリートの橋脚上部を上流側に張り出させて鋼単純H桁橋を架設した。
その後、老朽化が進んだことから、県は補修と耐震補強の工事を発注。東北重機工事(宮城県塩釜市)が2025年9月~26年7月の工期で工事を進めていた。
同橋では耐震補強として、橋脚上部の幅を広げて地震時の落橋を防ぐ「縁端拡幅」を実施する。張り出し部を除く橋脚上部の周囲を幅15cmはつった上で、幅30cmのコンクリートを打つ予定だった。
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