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高温超電導、核融合でブーム再来か フジクラは線材生産2倍

日経XTECH / 3/16/2026

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Key Points

  • 高温超電導線材の普及に伴い、発熱・損失を抑えつつ大電流を流せる特性が、核融合・リニアモーターカー・電動航空機・送電などの実用化を後押しする動きが広がっている。
  • 超電導線材の中核はコイルやモーターを構成する線材で、現状主流はREBCOなどのテープ状高温超電導体を用いる点が鍵。
  • フジクラは2026年に高温超電導材の生産能力を従来比約2倍に拡大する計画を発表し、2027年度には3〜4倍へ拡大する見通しを示している。
  • こうした大規模生産能力の引き上げは、HTS関連技術の商機拡大を促し、送電・産業機器・交通機関の革新につながる可能性が高い。
図1 高温超電導の応用技術が広がる(出所:京都フュージョニアリング、山梨県立リニア見学センター、東芝エネルギーシステムズの資料を基に日経クロステックが作成)
図1 高温超電導の応用技術が広がる(出所:京都フュージョニアリング、山梨県立リニア見学センター、東芝エネルギーシステムズの資料を基に日経クロステックが作成)
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 冷やすと電気抵抗がゼロになる超電導を応用する動きが広がってきた。常温で使う銅線と比べて発熱や損失を抑えつつ、より大きな電流を流せるのが特長だ。設備の高性能化や小型化につながり、革新的な技術の実現が期待される。核融合やリニアモーターカー、電動航空機、送電などへの応用が現実味を帯びてきた(図1)。

 鍵を握るのが、コイルやモーターといった超電導の応用製品を構成するのに必要な超電導線材だ。とりわけ高温超電導体(HTS)への注目の度合いが高まっている。従来の低温超電導体(LTS)よりも比較的高い温度で超電導状態が得られる。中でも現状では、イットリウム(Y)などのレアアース(希土類)を用いたテープ状のREBCO(レブコ)線材が主流となっている(図2)。

 超電導線材メーカーは商機の拡大を狙う。フジクラは2026年2月、高温超電導材の生産能力を従来比約2倍に高めると発表した。2024年にも高温超電導材の工場を拡張し、2027年度の生産能力を従来比約3~4倍に増やすと発表していた。「高温超電導線材の生産能力を世界トップクラスの規模へと引き上げる」(同社)と意気込む。

図2 フジクラのレアアース系高温超電導線材。金属基板の上に中間層や超電導層、保護層、安定化層を積層したテープ状の線材だ(写真:日経クロステック)
図2 フジクラのレアアース系高温超電導線材。金属基板の上に中間層や超電導層、保護層、安定化層を積層したテープ状の線材だ(写真:日経クロステック)
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けん引役は核融合発電

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