キヤノンはハンコを押すように半導体回路を造るナノインプリントリソグラフィー技術を、半導体ウエハーの平たん化に応用する手法を開発した(図1)。ウエハー表面の凹凸をナノレベルに抑えてEUV(極端紫外線)露光の焦点を合わせやすくし、先端半導体の歩留まりを高める。2027年にも製造装置を発売し、露光を主力としてきた半導体の事業領域を周辺工程に広げる。米Intel(インテル)やドイツMerck(メルク)グループもキヤノンの手法に目を付け、技術評価を始めた。
半導体ウエハーを平たん化する「Inkjet-based Adaptive Planarization」(IAP)と呼ぶ技術を開発した。CMP(化学的機械研磨)やスピンコートと呼ぶ従来の平たん化技術ではウエハー表面の凹凸を10nm(ナノメートル)以下に抑えるのがかなり難しいが、新手法では凹凸を5nm以下に抑えられることを確かめた。下地層の材料や凹凸パターンが平たん化に与える影響もCMPやスピンコートに比べ抑えやすい。
キヤノン半導体機器事業部部長の山本磨人(きよひと)氏は「EUV露光を使うような加工精度への要求が特に厳しいレイヤー(層)での利用を提案したい」と話す。最先端のロジック(演算用)半導体やメモリーの量産への採用を目指す。
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