KDDIは今後、米Google(グーグル)が提供する「Googleメッセージ」を、Android端末の標準アプリとして採用する。SMS(ショートメッセージサービス)の発展形であるRCS(Rich Communication Services)に対応したGoogleメッセージをKDDIが採用することは、同じくRCS対応の「+メッセージ」に引導を渡すことになるかもしれない。
2つのRCS対応サービスが併存
グーグルは米国時間2024年5月14日、同社の開発者向けイベント「Google I/O」を開催した。スマートフォンの新機種である「Pixel 8a」を事前に発表したこともあり、基調講演ではAI(人工知能)に関する新技術のアピールに大半を費やしていた。
それだけグーグルは、米OpenAI(オープンAI)に先行された生成AIの分野で危機感を抱いているのだろう。巻き返しを図りたい様子がうかがえた。
同時期、国内でも非常に大きな動きが見られた。KDDIが2024年5月16日、同社が今後発売するAndroidスマホに、「Googleメッセージ」を標準アプリとして追加採用すると発表したのだ。
GoogleメッセージはAndroid標準のメッセージアプリである。RCSに対応しているのが特徴だ。携帯電話のデータ通信を用いて、テキストだけでなく写真や動画も送れる。グーグルのAI技術を用いて写真を絵文字のように扱える「フォト文字」などの機能も備える。SMSよりリッチな表現が可能なのが大きなポイントだ。
Androidを開発しているグーグルのGoogleメッセージを、KDDIが自社Android端末の標準アプリに採用するのはごく自然に思える。だがGoogleメッセージがRCSに対応したアプリであることを考えると、この動きは非常に大きなインパクトをもたらす。
なぜなら国内では2018年以降、KDDIとNTTドコモ、ソフトバンクの3社が同じくRCSに対応した+メッセージを提供しているからだ。このサービスは現在、RCS対応の「Rakuten Link」を提供する楽天モバイル以外のユーザーであれば利用できる。このため+メッセージは多くのスマホにインストールされている。2024年1月末には利用者が4000万人を突破。国内では非常に大きな基盤を持つサービスとなっている。
それにもかかわらずKDDIは、+メッセージに加えてGoogleメッセージも標準採用することを打ち出した。一連の動きは利用者に混乱を与えかねないように思える。なぜKDDIは、Googleメッセージを標準採用するに至ったのだろうか。
本命はiPhoneのRCS対応
その最大の狙いは、実はAndroid端末ではなく米Apple(アップル)の「iPhone」だと考えられる。
iPhone標準のメッセージアプリ「iMessage」で利用できる機能の多くは、iMessageでしか利用できない。Android端末ユーザーなどとやり取りをする際は、SMS等を用いる必要がある。このため、競合メーカーから不満の声が少なからずあった。
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