米国とイスラエルによる攻撃に伴い、イラン情勢が緊迫している。その影響が建築費の上昇に波及する可能性が高まってきた。
三井住友トラスト基礎研究所は2026年3月9日に発表したリポートで、原油価格をはじめとした資源価格の高騰と円安が併せて進む、ワーストシナリオに近い状況を想定した建築費上昇率の試算結果を公表。建築費上昇率は1.8ポイント程度押し上げられるとした。
昨今の人件費高騰に、イラン情勢による資源価格高騰と円安進行の上昇分が加わり、26年の建築費は前年比で約5%高くなるとしている。
イランを巡る軍事衝突は26年2月28日(現地時間)に勃発した。同年3月2日には、イラン革命防衛隊が国際的なエネルギー輸送の要衝である中東のホルムズ海峡の封鎖を宣言。機雷の敷設などに至った場合、原油価格をはじめとした資源価格の高騰は避けられなくなる。
三井住友トラスト基礎研究所は原油価格が1バレル当たり130米ドル程度まで上昇し、為替レートが1ドル=160円台前半まで円安が進む場合をワーストシナリオとし、建築費上昇率への影響を試算した。建築費の上昇率に対して、ドルベースでの原油価格高騰の影響で前年比1.2ポイント、円安の影響で同0.6ポイント増加。合わせて、1.8ポイントの押し上げが生じると見ている。
三井住友トラスト基礎研究所投資調査部の荻島駿主任研究員は、「最悪の想定と言っても(発生する確率が)1%程度の低リスクではない。10~20%ほどの確率で現実に起こり得るシナリオと見ている」とコメントした。
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