阪急電鉄の大阪梅田駅から200mほど離れた大阪市北区の路上に、突如として巨大な鋼管が突き出した。その高さは最大で13.3m。新御堂筋(国道423号)の高架道路などがおよそ2日半にわたって通行止めとなる異例の事態となった。
この鋼管の正体は、大阪市が浸水対策として整備中の地下雨水貯留施設「豊崎~茶屋町幹線」における仮設構造物だ。鋼製ケーシングと呼び、コンクリート製のたて坑を構築する際に土留めの役割を果たす。たて坑の完成後も残置する予定だった。
ケーシングは内径3.6mで、長さ27m。回転式鋼製ケーシング圧入工法で施工し、底版として厚さ2mのコンクリートを打設した。豊崎~茶屋町幹線の施工を担っている大豊建設・森本組特定建設工事共同企業体(JV)が、たて坑の工事も担当していた。
異変が見つかったのは2026年3月11日の午前6時ごろ。たて坑の構築に向けてケーシング内部の水を排出した翌日のことだ。ケーシングがアスファルトを突き破り、まるで橋脚のように新御堂筋の高架道路下に現れた。
まもなく、市消防局がケーシングを再び沈めるため内部に注水を開始。同日午後4時に突出長を1.6mに低下させた。その後、ケーシングの浮上に伴って生じた地盤の緩み対策として、市建設局がケーシングの周囲に地盤改良を施した。13日午前3時20分にケーシング底部の改良を完了し、同日午後3時に高架道路の交通規制を解除した。
地上の平面道路は、地盤改良の効果を確認した上で3月17日午後3時に一部を除いて規制を解除した。沈みきらなかったケーシングの上部は切断する方針だ。
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厚さ20mの粘土質シルト層が堆積この記事は有料会員限定です



