AI Navigate

コンクリート製水路の定番ミス、鉄筋の重ね合わせ短く強度不足に

日経XTECH / 3/16/2026

📰 NewsTools & Practical UsageIndustry & Market Moves

Key Points

  • 熊本県菊陽町の農業用水路工事で、底版用鉄筋の余りを適切に配置せず、重ね合わせ長さが不足して強度不足となった施工ミスが原因。- 基準では鉄筋を継ぐ場合、鉄筋径の30倍以上の長さで重ねる必要があり、今回の鉄筋径13mmの場合は390mm以上重ねるべきだったが、現場打ち底版の幅680mmに対し両側張り出し長さは390mmしかなく、実質的には100mmしか重なっていなかった。- 不足分を補うため、町は680mmの別鉄筋を結束して底版を補完する設計へ変更した。- 今後は現場監理の強化と設計の適用性確認を含む施工品質の見直しが求められる。

コンクリート製水路を構築する工事で、施工者は底版用に用意していた鉄筋が余ったのに、ミスに気付かなかった。必要な箇所に鉄筋を配置しなかった結果、重ね合わせ長さが足らず、水路が強度不足になった。

 ミスがあったのは、熊本県菊陽町が2022~23年度に整備した延長64.6mの農業用水路。既製品の鉄筋コンクリート製L形ブロックを両側に向き合わせて構築する水路の工事で、現場打ち底版部分の鉄筋の重ね合わせ長さが足らなかった。

施工時の底版の配筋状況。底版鉄筋を配置しておらず、重ね合わせ長さが100mmしかなかった(写真:菊陽町)
施工時の底版の配筋状況。底版鉄筋を配置しておらず、重ね合わせ長さが100mmしかなかった(写真:菊陽町)
[画像のクリックで拡大表示]

 農林水産省の基準では鉄筋同士を継ぐ場合、鉄筋径の30倍以上の長さで重ね合わせると定めている。L形ブロックから張り出した鉄筋の径は13mmなので、390mm以上重ねる必要がある。しかし、現場打ち底版の幅680mmに対し、両側の張り出し鉄筋の長さは390mm。このままでは100mmしか重ならない。町は長さ680mmの別の底版鉄筋を結束して不足分を補う設計とした。

L形ブロックを組み合わせた水路
L形ブロックを組み合わせた水路
(出所:会計検査院の資料を基に日経クロステックが作成)
[画像のクリックで拡大表示]

次のページ

鉄筋の重ね合わせ方を図示せず

この記事は有料会員限定です