山口フィナンシャルグループ(FG)が2029年1月の稼働を目指し、傘下の山口銀行・もみじ銀行・北九州銀行の勘定系システムの刷新に乗り出した。山口FGは2006年の発足以来「マルチバンク・シングルプラットフォーム」構想を打ち出し、グループ経営の一体化・効率化に向けて、3行の人事制度や業務プロセス、情報システムの統一を進めてきた。今回の勘定系刷新はその総仕上げとなる。
3行はいずれも勘定系に日本IBMの「Chance地銀共同化システム」を採用する。IBMのメインフレーム上で、三菱UFJ銀行のシステムを基にした勘定系パッケージを3行それぞれで運用している。新たな勘定系でもChanceを利用しつつ、システム基盤を統合して一括管理できる体制とする。
今回の勘定系刷新プロジェクトへの投資額は約80億円。重複するシステム基盤を統合するほか、3行共通のアプリケーションを用いる比率を高めるなどの工夫により、運用コストを30%減らす。今後の投資分を含め、稼働後の10年間で約50億円のコスト削減効果を見込む。
各行独自のロジックを極限までそぎ落とす
既存の勘定系では同じパッケージソフトを使っており、アプリケーションの約95%は3行で共通のプログラムとなっているものの、3行で異なる部分もあったという。例えばキャッシュカードの仕様が3行で異なるほか、もみじ銀行の「カープV預金」といった各行独自の金融商品もあり、これらに関わる処理ロジックを勘定系の中に組み込んでいたためだ。
3行で異なるロジックが残っていると、開発や運用にかかる工数やコストが増えてしまう。新たな勘定系では各行独自のロジックを極限までそぎ落とす。キャッシュカードは勘定系の刷新にあわせて一本化する。各行独自の金融商品は、勘定系では3行共通のアプリケーションとして実装する。その上で商品ごとに取り扱い可能行のフラグを設定しておき、フロントシステムでそれを読み取り制御する形とする。
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99%のコードを3行共通にする決め手は…この記事は有料会員限定です




