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人型ロボットの「現場力」、自動車工場で磨く 中国UBTECH

日経XTECH / 3/12/2026

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Key Points

  • UBTECHはWalker S2の限定量産を2025年に開始し、2026年以降は年間数千台規模へ増産を段階的に進める計画で、受注は数億元規模に達したと報じられている。
  • 同社の香港上場(2023年)は人型ロボット分野における商用化の重要なマイルストーンとして位置づけられ、製造・物流・教育など幅広い領域での導入が見込まれている。
  • 中国は国家戦略の下、実用化検証と商用化を同時に推進しており、学習データの蓄積とコスト低減を通じた「学習を伴う大量生産」が鍵となっている。
  • デジタル競争が「フィジカルAI」へ移行する潮流が強まっており、自動運転や人型ロボットなどが新たな競争の最前線となっている。

 世界的な労働力不足を背景に、人型ロボット(ヒューマノイド)への関心が高まっている。人の作業空間に適応し、移動・認知・判断・行動を統合的に行う人型ロボットは、従来の産業用ロボットとは異なる「汎用的な労働力」として期待されている。中国では国家戦略の下、実用化検証と商用化が同時に進みつつある。

 こうした潮流の中で注目されている中国企業が優必選科技(UBTECH Robotics)だ。同社は2012年に創業した深圳を拠点とする企業で、家庭や商業、教育、物流、製造といった幅広い領域を対象に、ロボットのハードウエア、ソフトウエア、サービスを一体で提供する事業とそのための技術開発を展開している。2023年12月29日には香港証券取引所メインボードへ上場。香港市場における人型ロボット専業企業として初の大型IPO(新規株式公開)として注目を集めた。上場式では自社の人型ロボットが鐘を鳴らす演出が行われた。

 UBTECHの発表や中国の主要経済メディアの報道によれば、同社は2025年に人型ロボット「Walker S2」について、限定的な量産と顧客向け納入を開始したとされる。受注金額については累計で数億元規模(約6億~10億元レンジ、約140億~約230億円)に達したとの報道があり、特定時点での受注残高が約8億元(約180億円)前後に達したとする見方もある。

UBTECHの開発した人型ロボット「Walker S2」(出所:UBTECHのプレスリリース)
UBTECHの開発した人型ロボット「Walker S2」(出所:UBTECHのプレスリリース)
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 生産台数については、同社が公表資料の中で、年間数千台規模への拡大を中期目標として掲げており、2026年以降に段階的な増産を進める方針を示している。大量生産を通じて、学習データの蓄積とコスト低減を同時に図る戦略だ。

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自動車工場で技術磨く

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