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【発達障害】「片付けなさい!」が一生通じない理由。「諦めから生まれる片付け術」

note / 3/18/2026

💬 OpinionIdeas & Deep AnalysisTools & Practical Usage

Key Points

  • 片付けを“指示”するだけでは発達障害の人には長期的効果が出にくいと説明している
  • 諦めを前提とした“諦めから生まれる片付け術”という新しい実践アプローチを提案している
  • 環境設計や日常の習慣づくりなど、家庭・教育・福祉現場で使える具体的ヒントを紹介している
  • 著者の背景(元教員・発達凸凹パパ・福祉事業経営)から現場目線の信頼性を伝えている
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【発達障害】「片付けなさい!」が一生通じない理由。「諦めから生まれる片付け術」

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いよいよ春休みですね。
子どもが一日中家にいることで、
親にとって最大のストレスの1つとなるのが
「部屋の散らかり」ではないでしょうか。

足の踏み場もないリビング。
踏んづけて激痛が走るレゴブロック。

「いい加減に片付けなさい!」
「何度言ったら分かるの!」

と毎日怒鳴り散らし、
結局最後は親がため息をつきながら片付ける……。
長期休みになると、
どこのご家庭でも見られるリアルな地獄の風景です。

今日は、
児童精神科医である本田秀夫先生の
教えも交えながら、
子どもたちのの脳内で
「片付け」がどれほどハードルの高い
ミッションなのかを翻訳し、
春休みの家庭を平和にする
「片付け術」をお伝えします。



1. なぜ「片付けなさい」という言葉が通じないのか?

大人は簡単に「片付けて」と言いますが、
実は「片付け」という作業は、
脳の「実行機能」と「ワーキングメモリ」
フル稼働させなければならない、
超・高度な情報処理タスクです。

  1. 今あるおもちゃを全体的に見渡す(状況把握)

  2. どこに何をしまうか計画を立てる(計画性)

  3. トミカは赤い箱、プラレールは青い箱と分ける(分類・選択)

  4. 気が散るのを抑えて最後までやり遂げる(集中力の維持)

ADHD(注意欠如・多動症)などの
特性がある子どもにとって、
これは「装備なしでエベレストに登れ」と
言われているのと同じくらい絶望的なミッションです。

「片付けなさい」と言われてフリーズしたり、
別のおもちゃで遊び始めたりするのは、
反抗しているのではなく
「脳の処理能力を完全に超えてショートしているから」なのです。


2. 本田先生が教える「分類」という最大の罠

では、どうすれば自力で片付けられるようになるのでしょうか?

ここで、児童精神科医の本田秀夫先生が提唱されている、
非常に重要で画期的な視点をご紹介します。

親はつい、
「トミカはこっちの箱」
「プラレールはあっちの箱」
「絵本は本棚」
というように、
種類ごとに分けてしまう(整理整頓する)こと
を求めてしまいます。

しかし本田先生は、
この「分類して片付ける」という作業が、
子どもにとっては非常に難しい
と指摘しています。
種類ごとに細かく分けて収納させようとするから、
子どもは混乱し、片付けが嫌いになってしまうのです。


3. 明日からできる!「なんでもポイポイ箱」の魔法

子どもに片付けを教えるときの最大の鉄則。
それは、
「とりあえず1つの箱に全部放り込めばOK」
という究極のユニバーサルデザイン
にすることです。

本田先生も、最初は分類などさせず、
「これに全部入れてね」と
1つの大きな箱を用意し、
そこにとにかく物を入れることだけを教える
のが良いと
アドバイスされています。

我が家でも、
この「なんでもポイポイ箱」を導入しています。
トミカも、プラレールも、
よく分からない紙切れも、
とにかくそのデカい箱に放り込めば
「お片付け完了!100点満点!」というルールにしました。

これなら、
脳のワーキングメモリを消費する
「分類」の作業が不要になります。
「床に落ちているものを、箱に移動させる」
という単一のミッションになるため、
ADHDの子でも迷わずに手を動かすことができるのです。

さらに、視覚優位なASDの子には、
箱に「おもちゃのおうち」とイラストを描いて貼っておくと、
「ここに戻すんだな」と視覚的に納得しやすくなります。

細かく分類して綺麗に整理整頓するのは、
もっと成長してから、
本人が必要性を感じてからで十分なのです。


4. まとめ:親の「理想のハードル」をへし折ろう

「そんな乱暴な片付け方じゃ、将来困るんじゃ…」
と心配になる親御さんもいるかもしれません。

でも、考えてみてください。
「綺麗に分類された、雑誌のような部屋」
を目指して毎日親子で怒鳴り合い、
お互いの自己肯定感を削り合うのと。
「とりあえず箱にぶち込まれているだけだけど、
 床には何もなく、笑顔で過ごせるリビング」と。

どちらが、子どもにとって(そして親にとって)
幸せな春休みでしょうか?

春休みは長いです。
親のイライラは子どもに確実に伝染し、
さらなる荒れ(問題行動)を引き起こします。
まずは今日、大きな段ボール箱を1つ用意して、
「今日からお片付けは、
 これに全部入れるだけでいいよ!」と伝えてみてください。
それだけで、親子の争いが一つ、減るはずです。

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