2026~27年度にかけて、情報処理技術者試験に関して大きな動きが続く。2026年度には、これまで紙ベースだった応用情報技術者試験やITストラテジスト試験、ネットワークスペシャリスト(ネスぺ)試験といった高度試験がCBT(Computer Based Testing)で実施される。2027年度にはその応用情報・高度試験を、3区分の「プロフェッショナルデジタルスキル試験」に組み直すことを情報処理推進機構(IPA)が検討している。
資格取得(情報処理技術者試験は「資格」でなく「試験」だが、以降は同表現も用いる)の意欲があるIT技術者にとって注目すべき変化が多い「資格イヤーズ」といっていいだろう。特にネットワーク技術者にとっては、ネスぺ試験の動向は注目すべき点だ。IPAの検討どおり進めば、2026年度を最後にネスぺ試験はなくなる。
記者は前職で社内情報システムの企画や運用(情シス)に携わっていた際、ネスぺ試験を受験し合格した。取得のモチベーションとなったのはほんのささいなことだ。複数の企業の情シス担当者が集まるイベントで名刺を交換した際、もらった名刺に高度資格が記載されており「いいな」と思ったからである。名刺に資格を載せることをモチベーションに勉強し、「ネットワークスペシャリスト」「ITストラテジスト」の2つを記載できるようになった。
資格を取得したとしても名刺に載せるべきか、決めかねる技術者も多いだろう。そこで記者がネスぺについては6年、ITストラテジストについては4年ほど名刺に載せて仕事をしてきた中で、どんな効果を得られたか、ネスぺが過去のものとなる前に追想し、紹介する。
渡した相手の95%は「特に反応なし」
まずは名刺を渡した相手の反応はどうか。体感値となるが、年に100枚以上名刺を交換する中で得られた反応は「特になし」が95%、「これなんですか?」が2%、「おお、ネスぺ(またはITストラテジスト)に合格しているんですね」も2%、「私も合格しているんです」が1%未満――といった具合だ。つまりほぼ何の反応もない。
まれに出くわす「私も合格しているんです」の場合は話が盛り上がり、その後の取材がスムーズになるようにも感じられる。ただ「これなんですか?」「おお、ネスぺに合格しているんですね」の場合、記者の雑談力の乏しさから特段気の利いた返しができず、アイスブレイクとしての効果も薄いまま終わっている気がする。
ITベンダーの営業やエンジニアなど、顧客に技術を売り込んで稼ぐような立場であれば、効果を体感できるのだろうか。疑問に思い、最近名刺を交換した大塚商会の望月孝太郎技術本部TCソリューション部門テクニカルソリューションセンタープラットフォームグループ次長に話を聞いてみた。望月氏はネスぺと情報セキュリティスペシャリスト(現在の情報処理安全確保支援士)に合格し、両資格を名刺に記載している。
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