「ジェットコースターで近大行ってみた」――公式の“AI動画”が話題、担当者に裏側を聞いた

ITmedia AI+ / 4/15/2026

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Key Points

  • 近畿大学が入学式オープニングとして公開した一人称視点の「ジェットコースターで近大行ってみた」AI動画がSNSで話題になった。
  • 制作は海外クリエイターのSsestar氏が担当し、近畿大学が用意した大阪市観光地やキャンパス周辺の写真・動画素材(ドローン素材含む)をもとにAIを活用して作成した。
  • 動画は入学式当日の会場建物(近畿大学記念会館)に到着する構成で、全国各地から集まる新入生に立地を知ってもらい没入感の高い演出を狙った。
  • 入学式会場では映像に対し学生の大きな声や「振り向く」反応があった一方、X上では位置関係や文字の乱れなどの指摘も出ているが、AI生成であることを明記しフィクションとして楽しんでほしいとしている。

 ジェットコースターで大阪市内の名所を巡りながら近畿大学に向かう――同大学が公開したこのようなAI動画が話題だ。動画では、大阪城や道頓堀などの観光地を巡る架空のジェットコースターに乗る様子を、一人称視点で体験できる。レールは同大学の東大阪キャンパスまでつながっており、構内のさまざまな建物を通過して記念会館に到着する。

AI動画「ジェットコースターで近大行ってみた」が話題(出典:公式YouTube動画、以下同)

 この動画は、近畿大学が4月4日に開催した入学式のオープニングとして流したもの。同日から公式SNSなどで公開していたが、14日に同動画を紹介したあるXユーザーの投稿をきっかけに「わくわくする」「子どもの頃こういう妄想してた」などの反響が広がっている。

 どのようにこの動画を作成したのか。また、実際の新入生の反応はどうだったのか。近畿大学の担当者に聞いた。

制作では海外クリエイターと協力

 担当者によると、この動画の制作を手掛けたのは、Instagramなどで活動する海外クリエイターのSsestar氏(ssestar_art)。同氏は、韓国や台湾の観光地をジェットコースターに乗りながら紹介するAI動画を作成している。同氏の動画をInstagramで見かけ、「面白い」と動画制作を依頼した。

 動画の制作に必要な写真や動画素材は、近畿大学側で用意した。大阪市の観光地や近畿大学の周辺を撮影したもので、中にはドローンを利用しているものもあるという。これらの素材をもとに、Ssestar氏がAIを活用して動画を制作した。

 なお、動画中には実在する建物や看板に類似するものも登場するが「関係部署と連携し、権利を侵害しないようにした」(担当者)としている。

入学式の会場では「振り向く学生」も

 ジェットコースターが大阪市を巡り、近畿大学に向かう構成にしたのは、入学式にさまざまな地域から学生が集うため。学生に同大学の立地を知ってもらう狙いがあった。

 加えて重視したのが「没入感」だ。動画の最後にジェットコースターがたどり着く近畿大学記念会館は、実は動画の公開当日(4日)に入学式を開催していた建物。「今の若い世代はAI画像や動画にも慣れ親しんでいる」として、新入生にマッチするエンターテインメントを目指した。担当者は、入学式当日の雰囲気についてこのように振り返る。

 「ジェットコースターが自分たちの会場に入ってくる映像が流れた際は、非常に大きな声が上がり、学生たちは(映像内でジェットコースターがやってきた側を)振り向いていた。フィクションではあるが、没入感があったのではないか」(担当者)

 SNS上での反響についても「キャンパスにまた行きたくなった」といった卒業生の声も見られるなど、ポジティブな反応が多かったという。

 X上の一部では、実際の位置関係と異なるとする投稿や、動画生成AI特有の文字の乱れを指摘する声も出ているが、「見ていただければ、フィクションと分かるようにした。AI生成であることも明記している」と担当者。あくまで創作として楽しんでほしいとした。

 近畿大学の2026年度の入学式は、同大学OBのつんく♂氏が総合プロデュースを担当した。お笑い芸人のコロコロチキチキペッパーズのナダル氏や、霜降り明星のせいや氏などもゲストとして登壇した。

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