フィジカルAIで問われるマーケティングの力、日本のロボット産業に期待

日経XTECH / 5/19/2026

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Key Points

  • フィジカルAIは、センサー情報から認識・判断し、物理的な動きを生成するAIとしてロボットや自動運転車にも広がっている。
  • ルールベースだけでなく、模倣学習や強化学習などのAI技術が活用される一方、「風呂敷を広げすぎ」との見方もある。
  • NVIDIAのジェンスン・ファンCEOが2024年ごろから同語を繰り返し発信し、GPUやAI開発環境の販売拡販に結びつけている点が示される。
  • 「フィジカルAI」というバズワードを用いたマーケティングの巧みさと、それがロボット産業(特に日本)に期待される背景が論じられている。
フィジカルAIについて語るエヌビディアCEOのジェンスン・ファン氏。2026年3月撮影(写真:日経クロステック)
フィジカルAIについて語るエヌビディアCEOのジェンスン・ファン氏。2026年3月撮影(写真:日経クロステック)
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 フィジカルAI(人工知能)という言葉を聞く機会が増えている。ロボットや機械に搭載し、センサーなどから得られる情報から認識・判断し、物理的な動きを生成するAI、といった意味だ。従来のルールベースによる制御技術だけでなく、模倣学習や強化学習といったAI技術を活用する。やや風呂敷を広げすぎていると感じるが、フィジカルAIを搭載するロボットや機械には自動運転車も含む場合が多い。

 誰が最初にフィジカルAIを言い出したのかは定かではない。少なくとも2024年ごろ、米NVIDIA(エヌビディア)の最高経営責任者(CEO)であるJensen Huang(ジェンスン・ファン)氏がしきりに発言するようになってから、広まったようだ。同社はGPU(画像処理半導体)やAI開発環境を売り出すために、フィジカルAIという言葉をうまく利用している。バズワード(流行の言葉)を多用しながら自社製品を拡販する手法には、つい感心してしまう。

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過去を振り返ると、技術トレンドに関するバズワード...

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