AIで「つくる」が変わる今、エンジニアはどこへ向かうべきか?ファインディ開発組織の変遷とこれから

note / 4/11/2026

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Key Points

  • AIの普及で「つくる」プロセス自体が変化しており、エンジニアが担うべき役割も従来型の実装中心から見直しが必要だと論じている。
  • ファインディの開発組織の変遷を手がかりに、体制・プロセスをどう適応させてきたか(変化の順序や狙い)を整理している。
  • これからのエンジニアは、生成AI/AIを前提にした開発運用、品質担保、意思決定(何をAIに任せ、何を人が担うか)に関与する方向へ向かうべきだとしている。
  • 組織レベルでは、AI活用を技術課題だけでなくプロダクト価値や開発生産性の観点で捉え、役割設計を行う重要性を示している。
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AIで「つくる」が変わる今、エンジニアはどこへ向かうべきか?ファインディ開発組織の変遷とこれから

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カミヤタケシ

神谷です。

個人的なニュースですが、2026年2月にHHKBエバンジェリストに就任しました。ファインディのHHKB使いのエンジニアとのインタビュー記事も公開されていますので、興味があればぜひご覧ください。

私がファインディに入社して5年。正社員エンジニアが10名に満たなかったフェーズから、現在は60名を超える組織へと成長しました。組織マネジメントと採用の最前線に立ってきた立場から、今、私たちが何を考え、どのような未来を作ろうとしているのかをお話しさせてください。


AI時代のエンジニアキャリアと「強い開発組織」とは?

まず、AI時代のエンジニアキャリアについて。

「AI時代にどんなスキルを身につけるべきか」というような議論は、AIの進化スピードによってすぐに陳腐化してしまいます。そのため、ここではあえて触れません。

私たちが着目すべきなのは、AIが進化しても「変わらないこと」です。

AIによって「つくる」の概念は間違いなく変わりました。しかし、つくることは終わりではありません。そこで生み出された価値を、継続して提供し続けることにこそ意味があります。

「リリースされたプロダクトを安定させ、継続的に高い価値を出し続けること」

これはAIが進化しても変わらない本質だと思っています。

では、それをどう実現していくか?

私は、CRE(Customer Reliability Engineering)やSRE(Site Reliability Engineering)を開発組織として実現すること、そしてそれを体現できるエンジニアの価値が、AI時代にこそ上がると考えています。また、「フルサイクルエンジニア」や「プロダクトエンジニア」と呼ばれる働き方の重要性も、ますます高まっていくでしょう。

あわせて、ビジネスをグロースさせる経験も貴重です。ただし、一度きりの成功では再現性が足りません。成功した理由を言語化し、再現性を持って次の成功を導き出せるようになれば、その市場価値は飛躍的に高まります。

特定の技術領域のスペシャリストを目指す方はどこへ行くのか?

「将来スペシャリストを目指し、技術だけで生きていきたい」という方には、少し厳しい時代になるかもしれません。

これからは、「プロダクトで成果を出した人が、技術領域のスペシャリストになっていく」という未来が来ると予想しています。

  • 短期視点: すでにその領域を極めているシニア層や、コンピューターサイエンスの領域で成果を出している方の専門職へと集約されていく可能性があります。

  • 長期視点: 将来的なテックリード不足となる懸念はありますが、もともとテックリード志向が無かった方がプロダクトに向き合い続けた結果、技術を高いレベルで習熟し、テックリードへと変わっていくケースも増えていくはずです。

キャリアに悩んだら、シンプルに「プロダクトに向き合うこと」に立ち戻ってみてください。AI時代に強い開発組織とは、全員がプロダクトに向き合うことができる組織のことだと思うのです。

そして、それを実現してきたのがファインディの開発組織です。


ファインディの開発組織の変遷

私が入社したのは2021年11月。
正社員エンジニアは10名もいないチームで、複数プロダクトを少数で開発していました。当時は全員がベテランで、採用方針もシニア層のみ。シリーズBということもあり、そもそも母集団形成には非常に苦戦していました。

この頃は、「スキル偏差値」でファインディを知って話を聞きに来てくれる方が多かった印象です。

当時のインタビュー記事はこちら

それまでリファラル採用中心でしたが、Findy Team+の勢いを組織拡大に繋げるべく、ジュニアエンジニアの採用も進めていこうと決意しました。2023年には若手メンバーのジョインも増え、今はチームの中心として活躍しています。

この時期の面談では、「開発生産性の向上のためのアドバイスが欲しい」という話題が多かったように思います。

当時のインタビュー記事はこちら

若手が増えるとマネージャー不足も顕在化しましたが、当時技術エキスパート志向だったシニアメンバーがマネージャーに挑戦するケースが増え、好循環が回るようになりました。

ちなみに、私の面談・面接数も、2024年には年間680件を数えるまでになりました。日本で最もエンジニアにお会いできている一人ではないかと思っています。お時間頂いた皆様、本当にありがとうございます。

最近は、「勉強会やカンファレンスでファインディを知った」という方が圧倒的に多いですね。毎年様々な事業を展開していることもあり、その時々で面談の話題が変わっていくのが非常に面白いと感じています。

組織拡大と「ハレーション」をどう乗り越えたか

カジュアル面談ではよく、こんな質問をもらいます。
「一気に人数が増えてハレーションは起きませんか?」
「組織が崩壊しそうになったタイミングはありましたか?」

これに対する答えは、一貫して変わらない採用スタイルにあります。

  • 経営理念、ビジョンへの共感、熱量を持てる方かどうか

  • バリューへの共感と、それを体現していただける方かどうか

この方針を愚直に貫いたことが、順調な組織拡大を実現できた最大の理由だと考えています。


ファインディの開発組織の「強み」と「のびしろ」

のびしろ:多様性の発信と組織成長の葛藤

外からは「シニアなエキスパート集団」に見られがちですが、実際には元教師や未経験から始めたスクール卒業生など、多様なバックグラウンドを持つメンバーがいます。この多様性については、まだ発信が足りていないのが課題です。

また、既存プロダクトを伸ばしながら新規プロダクトを並行開発する今のフェーズでは、採用だけでなく「開発組織自体の成長」が鍵になります。キャパシティとの兼ね合いで、優先度決定においてドラスティックな意思決定(やらないことを決める等)をすることもあります。「組織がもっと成長していれば、さらに大きな事業成長ができたのではないか」と反省することもありますが、その課題こそが次の成長エンジンだと捉えています。

強み:当事者意識の深さ

最大の強みは、「プロダクトが届ける価値や解決したい課題」の重要性を、自分の体験で語れるエンジニアが圧倒的に多いことです。

キャリア、開発生産性、ツール選定……エンジニアの多くが、人生のどこかでファインディのプロダクトに関わることになります。事業共感が過去の経験に裏打ちされたものだからこそ、全員がプロダクトに高い熱量で臨めている。これが一番の強みです。

その熱量が伝わる象徴的なエピソードがあります。

  • 普段は遠方からのフルリモートのメンバーが、事業理解を深めるために自ら出社。一日中事業サイドのメンバーと1on1を詰め込み、現場の課題をヒアリングして業務改善提案に繋げる。

  • エンジニアが営業の商談に同席し、顧客へのコンサルティング提案まで踏み込んで行う。

こうした「エンジニアリングの枠」を超えて、プロダクトの価値を最大化しようとする動きが自然と生まれるのが、今のファインディらしさです。


最後に

ファインディは「Findy Team+ Award」を開催してきた会社です。

「開発生産性Conference」あらため、「AI DevEx Conference」を開催してきた会社です。

だからこそ、我々自身が「最先端の開発現場」になっていないと、説得力がありません。

「つくる」ことの歴史的な転換点が来ている中で、今後もその先頭に居続ける必要があるでしょう。その変化を楽しめる人に、ぜひ来ていただきたいと考えています。

直近は私が新卒採用の面談も担当していますが、学生にこの話をすると非常に興味を持ってもらえています。組織全体で熱量が高まっていく予感しかありません。

興味のある方は、ぜひカジュアルにお話ししましょう!


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