【個人開発】AIと作った最初のWebサービスを、スクラップ&ビルドした体験談|FIRE COMPASS
こんにちは、芽芽斗守(めめと・まもる)です。
先日公開したFIRE COMPASSの記事をたくさんの方に読んでいただきました。スキを押してくれた方、実際に使ってみてくれた方、本当にありがとうございます。
今回は前回の記事の続編です。
このサービスをどう作ったのか。
なぜ一度止めたのか。なぜ最後はほぼ作り直すことになったのか。
せっかくなので、ここに書かせてもらおうと思います。
いちばん最初に作り始めたWebサービスでした
FIRE COMPASSは、冒頭収集館や名画収集館よりも前に、AIと一緒に作り始めていたWebサービスです。
当時退職を考えていた私にとってはいちばん自分ごとだったので、この順番は自然でした。
会社を辞める前からFIRE関連の記事を読み、シミュレーターもいくつも触りました。本当に辞めて大丈夫なのか。家族と暮らしていけるのか。
真剣に考えていたからこそ、最初は自分がいちばん欲しいものを作ろうと思ったのです。
なぜ途中で止めたのか
ただ、プロトタイプだけ作って、開発の手を止めてしまいました。
理由は単純です。
まだ出せる水準ではないと感じたから。
ちょうど家計の見直しも兼ねて、FP試験の勉強を始めていた時期でした。
学ぶうちに「これが入っていないな」が積み上がっていきました。

たとえば年金。65歳からもらえるといっても、会社員か自営業か、厚生年金にどれくらい入っていたか、何歳から受け取るか。
付加年金のように少しの上乗せで将来の受け取りが変わるものもある。
なのに多くのシミュレーターは、そこがざっくりしています。
投資もそうです。いまはオルカンやS&P500に自分で積み立てている人がたくさんいる。だったら最初からその利回り前提で計算できたほうがいい。
生前贈与や相続の可能性、子どもの教育費、自分は子供にどこまでしてあげたいのか。そこまで考慮しないと、FIREのシミュレーターと言いながら見えているのは口座残高だけです。
「どう生きるか」という視点が欠けている。
その違和感が開発中にだんだん大きくなっていきました。
だから、これ以上作り込むのをやめました。
まずは純粋に触って遊べるサービスを作ろうと考え、当時構想中だった
「収集館シリーズ」の開発にシフトしたのです。
シミュレーターのような複雑なツールは、いずれ起業したあとに収益化も見据えてじっくり作り直せばいい。そう割り切ることにしました。
なぜ公開しようと思ったのか
収集館シリーズをリリースした後、しばらく止めていた「FIRE COMPASS」を久しぶりに触ってみました。
きっかけは、収集館シリーズを作る過程で
「私がこのnoteを通じて届けたいのは、読んでくださった方の行動や視点が少しだけ変わる瞬間を作ることだ」と気づいたことです。
だからこそ、今これを作りきることが大切だと考え直しました。
それに、「冒頭収集館」や「名画収集館」でのAIとの対話経験を活かせば、あの時よりも精度の高いものが作れるはずだと思えたからです。
AIは堂々と嘘をつく
そう意気込んで、最後まで作り切るつもりで中身を見直しました。
久しぶりに見たプロダクトは……はい(笑)思った以上に雑でした。
見た目はそれっぽく、グラフも出るし計算もしている。
でも中身を見る計算のロジックが間違っていたりと甘い。
AIはかなり堂々と嘘をつきます。しかも雑な嘘ほど顔色ひとつ変えない。
「直しました」「これで解消です」「原因はここです」と自信ありげに言うのに、実際に動かすとまた別のところがおかしい。
ChatGPTやGeminiに何度もコードをレビューさせ、その結果をClaudeに渡して修正させる。そうして出力されたプロダクトを、今度は私がひたすら触って挙動を確認する、という地道な作業を繰り返しました。
一つ直る。でも別のところが気になる。また触って、また直す。
共同開発というより、粘り強い取り調べに近かった気がします🙃
「ほんまにそれで直ってるんか?」
「そこだけじゃなくてこっちも見て」
「まだこれも、あれも、おかしいやん!」
そんな気分で何度も見直しました(笑)
AIは作るスピードは速いです。でも速くそれっぽいものを出すことと、最後まで責任を持てるものを作ることは別の話です。
出力されたものを自分でちゃんと見ないと危ない。
このWebサービスの開発を通じて、そのことをよく学びました。
しっくりこない理由と、息子に教わったこと

何度も直しているうちに、もう一つ気づいたことがありました。
数字だけきれいにしても、なんだかしっくりこないのです。
理由は、入口が違ったからでした。
最初のFIRE COMPASSは「何を入力するか」から始まっていました。
いくら必要か、何歳で辞めるか、何%で回すか。
でも本当は、その前に考えたいことがある。
自分は何を大事にしているのか。
どんな暮らしをしたいのか。どんな一日を送りたいのか。
本来は、そこが起点のはずです。
「いくら必要か」から入ると話が狭くなる。
「どう生きたいか」から入ったほうが絶対にいい。
そう考えたとき、足りない機能を後からつぎはぎするアプローチには限界がありました。
そんなことを考えていたとき、息子がマインクラフトをしているシーンが目に入りました。
彼は、一週間かけて作った「作品」をためらいなく壊していました。
苦労して作っている過程も私は見守っていたので知っています。
壁を外し、屋根を崩し、床を掘り返す。
「せっかく作ったのに」と惜しむ私に、彼はあっさりと
「だって、こっちのほうがいいじゃん」と答えました。
彼にとって「壊すこと」は失敗ではなく、アップデートだったのです。
その言葉にハッとしました。
せっかくここまで形にしたのだからと、今ある仕様に固執し、継ぎ接ぎで済ませようとしていた自分に気づかされました。
残すべき思想は残す。合わない構造は一度壊して、新しく建て直す。
スクラップ&ビルドの勇気を、マイクラに没頭する息子から教わるとは。
結局、『FIRE COMPASS』はプロトタイプからほぼ作り直しました💪
遠回りにはなりましたが、一度すべてを壊してゼロから組み直したからこそ、本当に自分が欲しかった「Webサービス」に辿り着けたのだと思います。
人生設計の道具として

今のFIRE COMPASSは、最初にいくつかの問いから始まります。
大切にしたいこと、理想の暮らし方、理想の一日に入れたいもの、FIREしたあとにやってみたいこと。
そこからその人に近い生活費の目安をつくり、年齢、資産額、毎月の積立、想定する運用、年金、子どもの教育費、生前贈与や相続の可能性まで条件に加えていきます。

すると、ただの「何年後にいくら」ではなく、少し自分の人生に近い形で結果が見えてくる。

500通りの将来パターンで資産の推移を眺めることもできますし、老後資産がどれくらい持ちそうかも出せます。結果はシェアもしやすくしました。
ただの複利計算機ではなく、人生設計の道具として使えるものにしたかった。そのために一度止めて、疑って、ほぼ作り直しました。
最後に
今回あらためて思ったのは、AIに作ってもらえる時代になっても、最後に問われるのは人間の側だということでした。
何を作るのか。どこを疑うのか。どこを壊し、どう建て直すのか。
そこを曖昧にしたままだと、AIはすぐに「それっぽいもの」をかなりの速度で完成させてしまいます。
だからこそ「これではまだ足りない」という感覚を手放さないことが大切だと思います。
FIRE COMPASSは私がAIと最初に作ったWebサービスであり、一度止めて、疑って、スクラップ&ビルドを経たプロダクトです。
この週末にぜひ使ってみてください。
そして、感想を聞かせてもらえたら嬉しいです。
「使ってみるよ」と思っていただけたなら、スキを押してもらえると励みになります。
FIRE COMPASSはこちらから
※無料でご利用いただけます。
【動作環境】
iPhone / iPad:Safari(推奨)
Android:Chrome(推奨)
PC:Chrome / Safari / Edge(最新版)
※ Internet Explorerは非対応です。
※ PWA対応ブラウザではホーム画面に追加してアプリとして使えます。
※ このシミュレーターは端末内で完結しており、入力データを外部に送信することはありません。






