Google Cloud Next 2026での発表内容まとめ 自律型AIエージェントへ

ITmedia AI+ / 4/23/2026

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Key Points

  • Google Cloud Next 2026は、AIアシスタントから自律的に思考・行動し複数タスクを処理する「自律型AIエージェント(Agentic Enterprise)」への移行を主題に、フルスタック強化を打ち出した。
  • 「Gemini Enterprise Agent Platform」を中心に、エージェント構築・拡張・ガバナンス・最適化の一元化、Agent-to-Agentのオーケストレーション、アクセス監視/制御(Agent Gateway/Agent Identity)など運用面の機能を提供する。
  • エージェント開発で利用可能な最先端モデルの拡充(Gemini 3.1 Pro、Flash Image、Lyria 3、Claude Opus 4.7等)に加え、Gemini Enterprise appへノーコード設計(Agent Designer)や長期自律稼働(Long-running agents)が追加された。
  • Workspace Intelligenceにより、Gmail/ドキュメント/ドライブ等を横断して文脈を統合し、情報抽出やレポート下書き、アクション提案を自動化する方向性を示した。
  • AIインフラでは第8世代TPU(TPU 8t/TPU 8i)を用途別に発表し、大規模学習と推論/リアルタイム自律処理それぞれでパフォーマンスと電力効率の向上を訴求した。

 米Google傘下のGoogle Cloudは4月22日(現地時間)、企業向けの年次イベント「Google Cloud Next 2026」を開催した。本稿では主な発表内容を簡単にまとめた(完全網羅ではない)。

 gcn (画像:Google)

 今回のテーマは、AIが単なる受動的なアシスタントから、自律的に思考・行動し、複数のタスクを処理する自律型AIエージェントへと進化する「Agentic Enterprise」への移行となっている。Google Cloudは、これを支えるため、AIインフラからデータ基盤、セキュリティ、エージェント開発プラットフォームに至るまで、フルスタックでの大規模な機能強化を発表した。

AIエージェント開発・運用プラットフォーム

Gemini Enterprise Agent Platform

 「Gemini Enterprise Agent Platform」は、エンタープライズ向けにAIエージェントを構築、拡張、ガバナンス、最適化するための一元的な開発プラットフォーム。LLMを用いたエージェント開発機能に加え、エージェント同士を連携させるAgent-to-Agentのオーケストレーションや、エージェントのアクセスを監視・制御する「Agent Gateway」や「Agent Identity」などの強力なガバナンス機能を提供する。

 geap Gemini Enterprise Agent Platform(画像:Google)

新モデルのサポートとGemini Enterprise appの拡張

 Gemini Enterprise Agent Platformでは、「Gemini 3.1 Pro」、画像生成モデルの「Nano Banana 2(Gemini 3.1 Flash Image)」、音楽生成の「Lyria 3」に加え、米Anthropicの「Claude Opus 4.7」などの最先端モデルが利用可能になった。また、企業向けアプリ「Gemini Enterprise app」には、ノーコードでエージェントを構築できる「Agent Designer」や、バックグラウンドで長期的に自律動作する「Long-running agents」などが追加された。

Workspace Intelligence

 「Workspace Intelligence」は、Google WorkspaceのGmail、ドキュメント、ドライブなどのアプリを横断して、文脈や情報を統合的に理解するセマンティックレイヤー。複数のドキュメントやチャット、メールから必要な情報を高速に抽出し、AIが自動でレポートの下書きを作成したり、アクションを提案したりすることが可能になる。

AIインフラストラクチャ

第8世代TPU(TPU 8t/TPU 8i)

 AIワークロードの特製に合わせて、用途別の2つの新チップを発表した。大規模なモデル学習に特化した「TPU 8t」と、推論や自律型エージェントのリアルタイム処理に特化した「TPU 8i」で、いずれも前世代から大幅にパフォーマンスと電力効率が向上している(関連記事)。

 tpu 8 TPU 8i(画像:Google)

Virgo Network

 「Virgo Network」は、巨大なAIデータセンター向けに構築された、新しいスケールアウト型のネットワークファブリックだ。TPU 8tチップを最大13万4000個接続し、最大47ペタビット/秒の帯域幅を提供することで、大規模言語モデルの分散学習におけるネットワークのボトルネックを解消する。

エージェント向けコンピュートと分散型クラウドの強化

 AIエージェントやミッションクリティカルなデータベースのトラフィック処理に最適化された新しいVM「C4N」および「M4N」シリーズを発表した。また、「Google Distributed Cloud」で米NVIDIAのBlackwell GPUがサポートされ、セキュアな閉域環境等でGeminiを稼働させるソリューションが追加された。

データ基盤(Agentic Data Cloud)

Cross-Cloud Lakehouse

 「Cross-Cloud Lakehouse」は、米AmazonのAWSや米MicrosoftのAzure(今年後半対応予定)などのマルチクラウド環境に分散するデータを、移動させることなく直接クエリできる、Apache Icebergベースのデータレイクハウスだ。

Knowledge CatalogとSmart Storage

 エンタープライズデータ全体にビジネス上の意味づけを行う機能。構造化データだけでなく、PDFや画像などの非構造化データからもGeminiが自動的に文脈を抽出し、AIエージェントに正確な判断材料を提供することでハルシネーションを防止する。

セキュリティ(Agentic Defense)

Google Security OperationsのAIエージェント

 高度化するサイバー攻撃にAIの速度で対抗するため、未知の脅威を能動的に調査する「Threat Hunting agent」や、検知ルールを自動生成する「Detection Engineering agent」などをプレビュー公開した。

Wizとの統合による「AI-APP」

 買収したWizの技術を統合し、AIアプリをコードからランタイム、マルチクラウド環境まで自律的に保護する「Wiz AI Application Protection Platform」(AI-APP)を発表した。また、Wizのプラットフォームには、脅威を調査・修正するWiz Red/Blue/Green Agentも導入されている。

Google Cloud Fraud Defense

 「Google Cloud Fraud Defense」は、reCAPTCHAを進化させた新プラットフォームで、人間、ボット、AIエージェントからのアクセスを識別し、認証フローやデジタルコマースにおける不正行為を防ぐというものだ。

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