NEC、ブルーステラ事業売り上げを「1兆→1兆3000億円」へ上方修正 改革の全貌は?

ITmedia AI+ / 4/27/2026

📰 NewsDeveloper Stack & InfrastructureIdeas & Deep AnalysisIndustry & Market MovesModels & Research

Key Points

  • NECはDX支援モデル「BluStellar」事業の売上収益目標を「1兆円」から「2030年までに1兆3000億円」へ上方修正し、達成時期を明確化した。
  • 売上上積みの背景として、同社はBluStellarの見立てでAIの影響を低く見ていた点を認め、「市場環境の激変」に対応する形で確証を得たとしている。
  • 2026年度から「BluStellar 2」へ切り替え、BluStellarを“社会・顧客のAIトランスフォーメーション(AX)を加速するインテグレーター”として位置付け、さらに先の“定着期”を「BluStellar 3」で見据える。
  • 目標達成に向けた主な改革は(1)約30のScenarioへAI要素を組み込みAX支援モデルへ転換、(2)100以上の部品から構成し月額30万円の最小構成も可能な「AI Platform Service」を提供、(3)AX人材の確保と約1万人コンサルタント体制に加え全社員リスキルと「BluStellar Academy」展開。
  • 研究開発とビジネス部門の統合(R&D×事業化)など、組織面でも改革を進めてAI活用による顧客価値拡大と自社コスト見直しによる利益率向上を狙う。

 NECは4月24日、DX支援を軸とする価値創造モデル「BluStellar」(ブルーステラ)事業について「2030年までに売上収益1兆3000億円を目指す」と発表した。2025年5月に掲げた「将来的に売上収益1兆円」という目標を上方修正し、達成時期を明確にした。

 同社の吉崎敏文副社長兼COO(最高執行責任者)は、同日の説明会で「これまで、BluStellar事業の見立てにおいてAIの影響を低く見積もっていました。しかし『すさまじいインパクト』『市場環境の激変』を入れなければならないと考え、満を持して十分な確証を持って発表しました」と説明した。

 同社は、いかにして売上収益に3000億円を上積みしようとしているのか。

photo NECが掲げたBluStellar事業の目標(出所:吉崎副社長の発表資料)

BluStellar売上収益を「1兆→1兆3000億円」へ上方修正 改革の全貌は?

 BluStellarは「顧客のDXを成功に導くための価値創造モデル」として2019年に始動した。業種や領域ごとに「BluStellar Scenario」(ブルーステラ シナリオ)と呼ばれる支援パッケージを作り、コンサルティングから技術支援まで一気通貫で支援してきた。

 吉崎副社長は「BluStellarを『NECのDX変革の集大成』と扱ってきました」として、2026年度から「BluStellar 2」に切り替えると発表した。

 BluStellarを「社会と顧客のAIトランスフォーメーション(AX)を加速するインテグレーター(推進装置)」という位置付けに変える。BluStellar 2は「AI変革移行期」を支える存在とし、その先に「AI変革定着期」における「BluStellar 3」を見据えている。

 「AIによって新しい市場が生まれたことで、提供できる価値が拡大し、売上収益を増やせると考えています。またAI活用によって社内のコストを見直せるため、利益率も向上させられる見込みです」(吉崎副社長)

photo BluStellarの展開(出所:吉崎副社長の発表資料)

1兆3000億円を目指すための「3つの改革」

 BluStellar事業で売上収益1兆3000億円を目指すため、BluStellar 2は主に3つのアップデートがあった。

 1つ目は、ビジネスモデルの変革だ。約30あるBluStellar Scenarioの全てにAIの要素を取り入れてAX支援モデルに変える。NEC社内のAI活用で得た知見を基に、AIによる顧客の価値創出を支援するという。

 2つ目は、AI活用を支えるテクノロジー群「AI Platform Service」の提供だ。AIエージェントアプリケーション、データ連携システム、AIインフラ管理ツール、クラウド基盤といった100以上の要素を用意。顧客の要望に応じて要素を組み替え、開発から運用までを担う。最小構成は月額30万円で提供する。

 3つ目は、AXを支える人材の確保だ。NECグループのアビームコンサルティング社員を含む約1万人のコンサルタントがAXを支援する。さらに「NECグループ社員が全員AX人材へリスキルする」という目標を掲げ、独自の人材育成メニュー「BluStellar Academy」を社内外に展開する。

 NECは、BluStellar事業において研究開発部門とビジネス部門を統合した。神奈川県川崎市に4月にオープンした新オフィス「NEC Innovation Park」(参考記事)でエンジニアとビジネスパーソンが物理的に同じビルで働くようにするなど、変革を加速させる体制を整えてきた。今後、その成果は実るか。

photo 吉崎敏文副社長兼COO(編集部撮影)

関連記事

関連リンク

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

続きを読むには、コメントの利用規約に同意し「アイティメディアID」および「ITmedia ビジネスオンライン通信」の登録が必要です