35歳主任エンジニア、管理職か専門職かの選択に悩む キャリアの岐路に

日経XTECH / 4/22/2026

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Key Points

  • IT企業の管理職相当(部課長系)と専門職エンジニア(上級エンジニア系)では、担う業務が部門経営・予算/原価管理や部下評価/育成計画など管理寄りか、現場の技術スキル維持に軸足を置くかで大きく異なる。
  • 管理職コースでは事業部長・執行役員までの出世ルートと部長/課長止まりのルートを比較し、年齢が上がるほど選択の影響が現れやすい点を示している。
  • AIが一定の管理業務を代替していく見通しがあるため、将来の価値が「管理能力」だけでなく「稼げる現場スキル」にも依存し得ると論じている。
  • 定年後の再雇用では管理職の肩書が外れやすく、能力・スキルに応じた賃金制度への移行により、上級エンジニア(スキルが枯れていない)の方が給与面で優遇されやすいと説明している。
  • 管理職出身者が現場対応を十分に担えない場合、社内での役割設計に限界が生じ、他部門・他職種への異動可能性が高まる点を注意喚起している。

Q.35歳のIT企業に勤める主任エンジニアです。上位役職(管理職相当)への昇格試験の打診がありました。研修受講と論文提出を経て、面接の試験があります。合格する前提での質問です。昇格後は、基本的に管理職か専門職に分かれます。自分の希望コースは意思表示するつもりですが、キャリアの分かれ道になるのかと思い、正直悩んでいます。参考意見を聞きたいです。

 IT企業の管理職に相当する役職名は様々にあり、カタカナ表記が多いです。例えば部課長の役職名にはマネジャー、グループマネジャー、シニアマネジャー、ディレクターがあります。専門職エンジニア向けには、エキスパート、コンサルタントなどがあります。

 ここでは、部課長と上級エンジニアの2つで表現します。実際の専門職制度における上級エンジニアは、高位資格から順にレベル分けされています。

管理職か、技術者でいたいのか

 ミドル層の部課長が担う管理業務には、次のような仕事があります。例えば、部門経営という視点では、予算管理や原価管理、中期計画の策定などです。部下管理面では、勤怠管理、人事異動や昇格候補者の選定、目標設定や人事評価、教育受講を含めた育成計画の立案、出張や交際費の承認業務などです。ただ今後、一定の管理業務はAI(人工知能)に置き換えられていくと予想できます。

 管理職か、上級エンジニアの道を歩むのかの違いは、年を重ねるほどに表れます。管理職コースの場合は、事業部長、執行役員まで出世するケースと、部長あるいは課長までのケースを比較してイメージしてもよいでしょう。

 質問者へは、転職するときの有利性からの判断や、定年後の再雇用を視野に入れておくこともお勧めします。

 定年はずいぶん先なので、ピンとこないかもしれません。筆者の知人の多くは、定年退職後も、継続して再雇用で働いています。再雇用時には、部課長など管理職の肩書は外れて「無役職」になります。管理職は現役の正社員が担うので当然です。

 そうなると、現場で稼げるスキルを持たない元管理職の給与はガクッと減ります。再雇用者の給与は一律○万円ではなく、能力に応じた賃金制度に変わってきました。簡単に言うと、稼げるスキルを持っているか否かによって給与格差を設ける制度です。

 再雇用時の処遇では、市場価値のある上級エンジニア該当者(スキルが枯れていない)のほうが給与面で優遇されるのは言うまでもありません。現場対応が苦手な管理職出身者が増えていくと、同一のシステム部門内で役割を用意するにも限界があります。他部門や他職種(例、営業や事務職)への異動もあります。

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管理職と専門職を完全分離する傾向

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