人型(ヒューマノイド)ロボットやロボティクス基盤モデルの急激な進展を受け、ロボット産業は今、歴史上、最大の転換期を迎えている。その変革の中身をざっくり言えば、価値の源泉がハードウエアからソフトウエアやサービスへ移行することだ。人型ロボットが実用期を迎えようとしている現在、ロボットはAI(人工知能)だけでなくブロックチェーンなどのICT(情報通信技術)と融合し、新たな経済圏を生み出しつつある。
パソコンなど他の分野ではすでに起きたことだが、ハードウエアの「ものづくり」を得意としてきた日本企業にとっては、あまり歓迎したくない構造変化かもしれない。この認識こそが、筆者が本連載「日本の逆襲」を構想し始めたきっかけである。もう少し詳しく言うと、おそらくあと1~2年の間に新しい戦い方を確立して応戦しなければ、日本の産業は先進的勢力から「置いてけぼり」を食らう。ロボット産業に限らず、日本の基幹産業である自動車産業、ひいては製造業全体が大きなダメージを受けることになりかねない。
ただ、多くの方がそのことに気づき、手を打ち始めてはいる。2024年12月には日本発のロボティクス基盤モデルを推進するためにAIロボット協会(AIRoA)が立ち上がった。さらに、内閣府ムーンショット型研究開発事業のロボット領域におけるプログラムについて、2025年12月1日付での大幅刷新とプログラム・ディレクターの交代が決定された。
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