米NVIDIA(エヌビディア)の開発者会議「GTC 2026」が、2026年3月16日~19日(米国時間)に開催された。会場は個人向けのAI(人工知能)エージェント基盤「OpenClaw」の話題で持ちきりだった。筆者はGTC 2026を現地で取材し、個人に最適化したAIエージェントが仕事や生活に深く入り込む時代の到来を感じた。
GTC 2026におけるOpenClawの熱狂の始まりは、ジェンスン・ファンCEO(最高経営責任者)による3月16日の基調講演だった。ファンCEOがOpenClawについて言及したのは、2時間ある基調講演の終盤だ。OpenClawのシンボルマークであるロブスターが登場すると、会場からは歓声が上がった。ファンCEOの基調講演で、最新のAIインフラ製品「Vera Rubinプラットフォーム」のサーバーラック一式が登場した時に次ぐ盛り上がりだったと感じた。筆者はOpenClawについて「一部の先進ユーザーが試しているソフトウエア」程度の認識だったので、来場者の関心の高さに驚いた。
NVIDIAは同日、OpenClaw向けにセキュリティーやプライバシーに関する制御機能を提供する「NVIDIA NemoClaw」を発表した。現在個人利用が中心のOpenClawを、エンタープライズでも使いやすくする狙いがある。
ファンCEOは3月18日に登壇したAIスタートアップ経営者とのパネルディスカッションでも、パネリストにOpenClawについて質問を投げかけた。例えばコーディングを支援するAI「Cursor」を開発した米Anysphere(エニースフィア)のMichael Truell CEOは、「AIが単に答えるだけの存在から行動を起こす存在へと移行するという、昨年プロフェッショナル向けに始まった事象が多くの人々にも起き始めた例だと思う」と話した。
一見OpenClawとは関係ないような講演でも、話題がOpenClawに及ぶことがあった。自動運転をテーマにしたパネルディスカッションでは、米Ford Motor(フォード)のBryan Goodman Executive Director, Artificial Intelligenceが「セキュリティー上の課題があり確実に対処しなければならないが、大きな可能性を感じている」と話した。
ドイツBosch(ボッシュ)のAuston Payyappilly Director, Product Management & Acquisitions, Cockpit & ADAS Compute/ECUはOpenClawをはじめとするAIエージェントについて、「空いている車線に自動で移動するなど、AIエージェント同士が連携することで自動運転がさらに高度なレベルになるかもしれない」と語った。
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