ヒューマノイドが建設現場にやってくる、フィジカルAIは人手不足を救うか

日経XTECH / 4/13/2026

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Key Points

  • 米国・中国を中心に開発が加速するヒューマノイドを、建設業向けに活用する動きが広がり、将来の建設現場で人とロボットが混在する可能性が示された。

米国や中国を中心に開発が加速する人型ロボット(ヒューマノイド)。建設業をターゲットに開発を進める企業も現れた。未来の建設現場では、人とヒューマノイドが混在して働くことになるのか。足元の実力と、可能性を探った。

 「被災状況の調査を開始します」。こう声を発し、高さ約130cmの人型ロボットが、ぎこちない足取りで歩き出した。周囲を見渡すように首を回し、小刻みに体を揺らしながら建物内を進んでいく。やがて1本の柱の前で、ぴたりと立ち止まった。

 ゴーグル型デバイスを装着した操作者が、「建物の被害状況はどうですか」とマイクに話しかける。すると人型ロボットは柱に腕を伸ばして損傷箇所を認識し、「傾きが30分の1以上あるようです」と報告した──。

 これは、建築研究所(以下、建研)などが2026年3月10日に公開した実験の1コマだ。建研とロボット向けアプリ開発などを手掛けるポケット・クエリーズ(東京・新宿)が、災害時の応急危険度判定などの遠隔化を狙って実施した〔写真1〕。

〔写真1〕ChatGPTと連係
〔写真1〕ChatGPTと連係
実験に使用した人型ロボットは中国製で、高さ約130cm、重さ約40kg。生成AIサービスのChatGPTと連係しているため、人と対話したり、撮影した画像を分析したりできる。将来的には完全に自律して調査できる人型ロボットの実現を見据えている(写真:建築研究所)
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 両者は、人型ロボットによる被災建築物の遠隔調査システムや、人型ロボットと4足歩行ロボットの連係システムの開発を進めている。

 実験では、傾いた壁や損傷した柱などの被害の確認を想定。被災建築物を模した環境を屋内に設け、人型ロボットが柱の傾斜角を報告する様子を実演した。カメラで撮影した損傷を基に、AI(人工知能)を使って被害状況を分析し、傾斜角の他、沈下量や変形量などを判断して結果を点検帳票に入力する。

 実験を担当した建研材料研究グループの宮内博之上席研究員は、「人間が使う道具や機械を、そのまま扱える点が人型ロボットのメリットだ」と説明する〔写真2〕。「技術的には黎明(れいめい)期で、まだ人間の能力には到底及ばない。今ようやくスタート地点に立ったところだ」(宮内上席研究員)。両者は30年ごろに人型ロボットを災害現場へ適用する目標を掲げ、開発を続ける。

〔写真2〕人型ロボットをコントローラーで遠隔操作
〔写真2〕人型ロボットをコントローラーで遠隔操作
操作者は複数の画面に映るロボット目線のカメラ映像や撮影した画像の解析データを見ながら、コントローラーでロボットを操る。専用のゴーグル型デバイスを使って、複合現実(MR)に画面を投影することもできる(写真:日経アーキテクチュア)
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研究内容を説明する建築研究所材料研究グループの宮内博之上席研究員(写真:日経アーキテクチュア)
研究内容を説明する建築研究所材料研究グループの宮内博之上席研究員(写真:日経アーキテクチュア)
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国交省もフィジカルAIに注目

 カメラやセンサーなどの情報を基に現実世界を認識・理解し、自律的に行動できる「フィジカルAI」の進化に伴って、人型ロボットへの注目度は急速に高まっている。26年1月に米ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2026」の会場には、衣類を折り畳んだり、人間と卓球をしたりする多彩な人型ロボットが集結した。

 こうした人型ロボットは、まずは製造業や物流業などでの活用が進むと見られるが、担い手不足に悩む建設業もターゲットの1つだ。

 日本建設業連合会が25年7月に発表した長期ビジョン2.0では、25年度に299万人いた技能者が、10年後の35年度に264万人まで減ると予測した。現場の抜本的な生産性向上は避けて通れない課題。人型ロボットが活躍する余地は十分にある。

 国土交通省もフィジカルAIに注目する。26年3月17日には建設分野でのフィジカルAI活用をテーマにピッチイベントを開催。建設会社や建設コンサルタント会社など計104団体が参加する盛況ぶりだった。

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騒音下でもジェスチャーで指示

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