「就活生は大学などで日常的に生成AI(人工知能)を使っている。企業でもAIをうまく活用していることは採用の際にアピールポイントになり得るが、PRできている企業は多くない」とインディードリクルートパートナーズの栗田貴祥リサーチセンター上席主任研究員は語る。
2027年卒の就活生は大学1年生からAIを使ってきた初代「AIネーティブ世代」だ。新卒就活生向け口コミ情報サイトを運営するみん就の調査では「企業のDX推進が志望度に影響する」と回答した学生が77.1%にも上った。ITやAIなどデジタル技術関連の取り組みについて、企業がアピールする必要性が高まっている。
アピールが必要なのはAIとの関係が強いIT系の業界に限らない。昨今の生成AIはメールの文章作成や情報収集など、非IT系の企業でも使える機能が多い。バックオフィス業務でAIを活用できる以上、ほとんどすべての企業でAIを使う環境を整えることが重要になってきたといえる。AIを大学のリポート作成などで当たり前に使ってきたネーティブ世代の就活生にとって、AIが使える環境の方が魅力的に見えるのは当然だろう。
しかし、AIネーティブ世代はAIが身近なものと感じる一方で、不安を抱いている側面があるという。プロティアン・キャリア協会の栗原和也CGO(最高事業成長責任者)協会役員は「就活生はAIが将来の自分の仕事に大きな影響を及ぼすという漠然とした不安を感じている。その企業でAIが使えるかどうかとセットで、使い方を教えてくれる環境があるかという点を見ている」と昨今の就活生の傾向について語る。
インディードリクルートパートナーズの栗田上席主任研究員は「就活生は企業に就職した後で、AIを使いこなす実力を付けることが大切だと感じている」という見方を示す。単にAI活用をアピールするところから、AIの業務での使い方について教育体制を整えているところまで踏み込んだ話ができれば、学生もその企業により興味を持ちやすくなるだろう。
ただし、社内での実際のAI活用とアピールしたポイントにギャップがあると、就活生が入社後すぐに離職してしまう原因になり得る。企業にとって早期離職は採用計画の見直しなどによるコストの増加につながり、デメリットが多い。まずは社内でのAIを使った取り組みを堅実に積み重ね、会社説明会の場やインターンシップの際にアピールすることが最も効果的だろう。
次のページ
エントリーシートの代わりにAI面接官もこの記事は有料会員限定です




