【短編小説】落ち込んだときの解決は、AIにおまかせ?

note / 3/28/2026

💬 OpinionIdeas & Deep Analysis

Key Points

  • 落ち込んだときの“解決”をAIに委ねるという発想を、短編小説形式で問いかける記事だ。
  • AIを使う場面を通して、感情への対処がテクノロジーで代替され得るのかという視点を示している。
  • AIへの期待と、それに頼ることの意味・違和感の両方が主題として読み取れる。
  • 文章全体の目的は実務的なHow-toではなく、AI利用を感情ケアの文脈で捉える“物語的考察”にある。
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【短編小説】落ち込んだときの解決は、AIにおまかせ?

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ーー人間が落ち込む、それは脳が世界を再計算している時間である。ーー

AIが考えた言葉。

再計算している時間か……


僕は落ち込んでいる。
ただ、落ち込んでいる。

朝ごはんを食べようとする気持ちさえない。
心がどこにあるのかわからないが、からだの中心あたりがじっとり苦くなって、何かがゆっくりと流れ続けている。

うまくいかないことってあるもんだ。努力しても……

暴力的な言葉が僕をなぐり、胸の奥まで大きなアザがあいた。


犬のポンタがじっとこちらを見つめている。
おまえはいいよな。
落ち込むことはないんだろ?

そう考えながら、ぬるい息をふうっとお腹の底から吐き出す。

落ち込みとは、再計算する時間か……

理解できなくて、再びAIのチャッピーに尋ねてみる。

ーー脳科学の仕組み 偏桃体 認知理論ーー
まったく意味がわからない。

また、チャッピーに尋ねてみる。

ーー落ち込み =(期待 − 現実) × 自己評価 × 未来予測ーー

どういうこと? 聞いてみる。

①期待する(ドキドキ)
②失敗する(ああっダメか)
③自分を責める(なんて自分はバカなんだ)
④未来もダメと思う(どうせ次も……)

この4つがそろうと

落ち込みは最大化します。


ふうっと、あの子の顔が浮かんできた。
どうしてダメなんだ。
仕方ないのか。
そんな言い方をしなくてもいいじゃないか。


あの子の言葉で胸がぐさっとなったまま、僕の中で何かが動いている。

その何かとは……
心に秘めた果てしなく盛り上がる情熱であり、理屈も記憶もすべて押し流し、ただ、前へ行け、行け、行け、壊れてもいい、傷ついてもいい、何かを終わらせなければならない
……と、僕のからだを動かそうとするものだ。
  


ただ、一度、呼吸をした。

最後に、もう一度チャッピーに尋ねる。

ーー落ち込むのは、危険回避システム。その行動は危険だ、という脳の警告装置ーー

危険回避システム……

なんか違うぞ。回避する? そうじゃなくて、むしろ!

ポンタの瞳はいつも潤んだようにきれいでかわいい。でも。

僕は机の上に準備したかばんを手に持った。


そして。



こっそり入れていた「包丁」を取り出して。


見つめる。

じっと見つめる。

睨みつける。



そして、再びかばんの中に忍ばせる。



ーー人間が落ち込む、それは脳が世界を再計算している時間である。ーー


    了

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はやか-shirohira  (短編小説) 今後、原爆をテーマに小説を書きます。テーマ的に文学賞からの出版は厳しいと考えてます。出版費用にしたいです。応募よろしくお願いします。
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