ルネサスエレクトロニクスは同社初となる双方向のGaN(窒化ガリウム)スイッチを発売し、量産を始めた。耐圧は650Vで、AI(人工知能)データセンターの電源や、太陽光発電向けマイクロインバーター、車載オンボードチャージャーなどを狙う(図1)。
新製品「TP65B110HRU」は2024年6月に買収した米Transphorm(トランスフォーム)の技術「SuperGaN」を使って開発した。高耐圧のノーマリーオンGaNと低耐圧のノーマリーオフSi(シリコン)MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)を直列接続したカスコード構造を採るため、ノーマリーオフGaNのように扱える。加えて、パワーMOSFET向けの標準的なゲートドライバーで駆動できる。
DC(直流)遮断機能を備えることも特徴で、新製品1つで正負両方向の電流を遮断できる。バック・トゥー・バック構成で2個のパワーMOSFETを使っていた回路を新製品1つで置き換えられ、回路設計の簡素化や回路全体の小型化、高効率化につながる。太陽光発電向けマイクロインバーターに適用した場合、97.5%を超える電力変換効率が得られることを確認した。
連続ピーク定格電圧は±650V(AC/DC)、過渡定格電圧は±800Vである。静電気放電(ESD)耐量は2kV(HBM/CDM)、オン抵抗は110mΩ(+25℃の標準値)。ゲートしきい値電圧は3V(標準値)、dv/dt耐量は100V/ns超で、上面冷却(TOLT)パッケージに封止している(図2)。
ルネサスはこの双方向GaNスイッチをパワーエレクトロニクス分野の国際会議/展示会「IEEE Applied Power Electronics Conference and Exposition(APEC 2026)」(2026年3月22~26日、米テキサス州サンアントニオ)に出展した。
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