この記事の3つのポイント
- 情報処理技術者試験は2027年度、応用情報・高度試験の再編など大きく見直される
- 「プロフェッショナルデジタルスキル試験」や「データマネジメント試験」を新設する
- 全ての試験が多肢選択式になるが、論述式の上位試験の新設を検討している
「IT資格」を活用する企業が増えている。うまく使えば、社員のスキルアップやモチベーションの向上に有効だ。そこで本特集では、IT資格を徹底解説。IT資格の全体像や、独自調査による企業の活用状況などを紹介する。
第1回では、IT資格試験の代表格といえる情報処理技術者試験を取り上げる。同試験が現在の形になったのは2009年。それから18年の時を経て大きく変わる。試験区分はどのように再編されるのか、難易度は変わるのか、従来試験の合格実績は無意味になるのか。新しい情報処理技術者試験の全貌を解説する。
情報処理技術者試験はどのように変わるのか。大きく3点挙げられる。(1)応用情報技術者試験・高度試験の再編によるプロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)の新設、(2)データマネジメント試験(仮称)の新設、(3)従来試験の出題内容などの見直し――である。
最もインパクトが大きいのは、応用情報技術者試験と高度試験8区分がなくなることだ。その代わりに、3区分の「プロフェッショナルデジタルスキル試験」を新設する。ITエンジニアリングの領域で、フルスタックのエンジニアを育成することが目的だという。
具体的には、応用情報技術者試験と8つの高度試験の領域を「マネジメント」「データ・AI」「システム」の3つに分け、それぞれに試験を設ける。3試験のうち1つに合格することは、従来の応用情報技術者試験合格と同等と位置付けるが、より幅広い知識やスキルの習得のため、3試験全てに合格することを推奨する。
経済産業省商務情報政策局情報技術利用促進課デジタル人材政策室の枝川慶彦デジタル人材政策企画調整官は、これまでのシステム開発が分業を前提とした体制だったことに触れ、「その体制に合った人材育成や目標設定の観点から、試験を細分化していた。しかし、ITベンダーもユーザー企業も、AI(人工知能)を使う中で幅広い知識を持つ人材を育成する必要がある。そういった観点を踏まえて見直した」と話す。
次のページ
「データマネジメント試験」新設の目的この記事は有料会員限定です



