三井化学は2026年4月8日、学術文献などを基に、化合物に関する情報を自律的に調査・整理するAI(人工知能)エージェントの本格稼働を始めた。AIエージェントが文献中の化学構造式を読み取り、必要に応じて外部の化学データベースやWebサイトを検索して結果をリポートにまとめる。既に社内で運用していた化学分野向けの生成AIチャットをアップデートし、同調査機能を追加した。検証では、研究者が調査にかける時間を80%以上削減できており、これまで1カ月程度必要だった文献調査が1日程度に短縮できると見る。
三井化学では新製品のアイデアを探索したり、顧客への提案内容を考えたりするため、研究開発や営業の担当者が特許文献や論文を調査する。1つの新製品を開発するための調査に1万件の文献を参照することもあり、膨大な時間がかかることが課題だった。
そこで、この文献調査をAIエージェントで支援することにした。2025年度から本格稼働していた、化学分野特有の専門性の高い業務向けの生成AIチャットをベースに開発した。この生成AIチャットは、ユーザーが化学関連の情報を調査する際などに調べたい内容を質問すると、社内外の情報を基に回答するものだった。
文献1万件の傾向を分析
この生成AIに「大量の文献の内容を調査し、ユーザーが作成したい調査リポートを生成する」機能を追加した。例えば1万件の文献をPDFで入力すると、文献の内容をまとめたリポートや、文献に見られる傾向を分析したリポートを作成する。
AIエージェントは、ユーザーから指定された内容のリポートを作成するために必要な情報が不足していると判断した場合、自律的に外部の化学データベースやWebサイトなどを検索して内容を付け加える。
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文献調査AIエージェントを開発する際、苦労した点...この記事は有料会員限定です



