12作品で“AI不使用”なのに「AI生成」と誤表記 電子書籍配信「クロスフォリオ出版」が経緯明かす

ITmedia AI+ / 3/30/2026

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Key Points

  • クロスフォリオ出版(電子書籍配信)において、生成AIを使っていない12作品(8人のクリエイター)で「AI生成」扱いの誤表記が発生した。
  • 誤表記の原因は、他社販売サイトへ送る出版取次向けデータのフォーマットに「AI作品」設定項目があり、仕様設計の問題と後発の不具合が重なって誤判別情報が振られたことだとBookLiveが説明している。
  • 配信先サイト連携を通じて同日中に修正対応し、対象クリエイターへ連絡済みで必要に応じて説明・謝罪するとした。
  • 再発防止としてシステム見直しを含むチェック体制の改善方針を示し、27日時点で許可を得た誤表記作品の配信日・タイトル・作者名も公表している。
  • Xfolio側は2023年8月からAI生成創作物の投稿を禁止、クロスフォリオ出版でもAIコンテンツに慎重な運営方針があるため、今回の誤表記への疑念が一部で広がっていた。

 BookLiveは3月27日、クリエイター向け電子書籍配信サービス「クロスフォリオ出版」で配信した一部の作品で、制作に生成AIを使っていないにもかかわらず、AIを利用しているとの誤表記が生じた件について、経緯などを明かした。このミスを巡っては、あるクリエイターによるX上での指摘を受け「本件は弊社の落ち度によるもので、作家様がAIを利用していたという事実は一切ない」と同日に発表していた

 誤表記があったのは、8人のクリエイターの計12作品。クロスフォリオ出版では、他社の電子書籍販売サイトに作品を配信する際、出版取次に作品のデータを送る。このデータのフォーマットにAI作品を設定する項目があり、「(データ成形の際の)仕様設計の問題と後発の不具合が重なり、誤ってAIの項目に判別情報が振られた」(BookLive)という。

 「生成AI作品」との誤表記については、配信先の電子書籍販売サイトと連携し、同日午後5時55分までに修正したという。誤表記があった8人のクリエイターにも連絡済みで、必要に応じて担当者が説明・謝罪すると表明した。また再発防止に向け、システム上の見直しを含め、チェック体制を改善する方針を示している。

 なお27日時点で、誤表記のあった作品のうち、BookLiveがクリエイターの許可を得たものを公表している。作品の配信日とタイトル、作者名は以下の通り。

3月27日配信作品

「剣の護り手 狼とオメガ王子の降嫁」(宵/蔦木圭)

「宝珠に結ぶ縁 ─若き陰陽師、龍神に恋さるるの語─【読み切り作品】」(たまむし)

3月13日配信作品

「我輩は「まおー」である。(1)」(椎那渉/Cafe Chat-Noir)

「自宅がエロトラップダンジョン化したので配信始めました。 第二話」(七瀬京/藤掛ヒメノ/Pro-ZELO)

「自宅がエロトラップダンジョン化したので配信始めました。 第三話」(七瀬京/藤掛ヒメノ/Pro-ZELO)

「片想いリフレイン(1)」(浜野ノア/浜野倉庫)

「世界は僕の箱庭」(久納一湖/team hattari)

2月20日配信作品

「自宅がエロトラップダンジョン化したので配信始めました。 第一話」(七瀬京/藤掛ヒメノ/Pro-ZELO)

 クロスフォリオ出版は、小説やイラストなどの創作物を投稿できるサイト「Xfolio」(クロスフォリオ)と連携する電子書籍配信サービス。個人のクリエイターが自身の作品を登録し、複数の電子書籍販売サイトに配信できる。

 一方、Xfolioでは、2023年8月からAIで生成した創作物の投稿などを禁止している。クロスフォリオ出版でも、AI作品の配信は「現状は原則不可」とするなど、AIによるコンテンツの取り扱いに慎重な運営方針を示していた。

 そのためX上では「よりによってクロスフォリオ出版」「どんなミスでこんなことになるんだ」など、今回の誤表記を訝しむ声が一部で出ていた。

BookLiveの発表全文(出典:プレスリリース)

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