日本ペイントG、コンテナ船積計画にAIエージェント 作業時間を76%削減

日経XTECH / 5/19/2026

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Key Points

  • 日本ペイントGは、塗料など輸出貨物のコンテナ船積計画を自動作成するAIエージェントを活用し、2026年5月までに月間の計画作成時間を従来比で76%短縮した。
  • 熟練者の経験や属人化に依存していた計画作業を、大規模言語モデル(LLM)と独自アルゴリズムの組み合わせで置き換えた。
  • AIエージェントは海外現地法人からの注文データを基に、複数貨物のコンテナへの配分・積み込み計画を作成・提案する仕組みである。
  • 船積計画は海上輸送規制や寄港地・各国法制度、危険物対応(IMDGコード等)、倉庫運用ルールなど多条件を同時に満たす必要があり、従来はPDFにマーカーを引く手作業が中心だった。
  • 2026年2月に日本ペイントマテリアルズの輸出業務で本格運用を開始し、2025年5月構想〜2025年8月開発開始のプロセスで現場フィードバックに基づき改良を重ねた。

 日本ペイントグループが塗料など輸出貨物の海上輸送を対象に、コンテナへの船積(積載)計画を自動作成するAI(人工知能)エージェントの活用を進めている。2026年5月までに、従来の船積効率を維持しつつ1カ月当たりの計画作成時間を76%短縮した。熟練者の経験に依存していたが、大規模言語モデル(LLM)と独自開発のアルゴリズムを組み合わせたツールに置き換えた。

 同社は2026年2月にAIエージェントの本格運用を開始した。塗料の貿易事業を手掛けるグループ会社、日本ペイントマテリアルズの輸出業務を対象とする。AIエージェントが海外現地法人から受け取った製品の注文データを基に、複数の貨物をどうコンテナに配分して積み込むかなどを計画・提案する仕組みだ。

AIエージェントのチャットUI
AIエージェントのチャットUI
(写真:日本ペイントホールディングス)
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船積計画は「パズルのように複雑」

 日本ペイントマテリアルズの貿易部物流グループの佐野真理子マネージャーは今回のプロジェクトの発端について「システム部門に『プランニング(船積計画)にかかる時間をどうにか削減できないか』と持ちかけたのが導入のきっかけだった」と説明する。

 船積計画は海上輸送や寄港地の規制、各国の法制度といった様々なルールに基づいて作成する。例えば塗料は「危険物」に該当するものもあるため、海上輸送での危険物を取り扱う規定である「IMDGコード」などに準拠する必要がある。さらに、倉庫ごとの運用ルールや貨物を積み合わせる際のきめ細かい条件への対応も求められる。

 日本ペイントマテリアルズの貿易部ではこうした複数の条件を考慮し、どの条件を優先するかを整理しながら船積計画を立てていた。佐野マネージャーは「パズルのように複雑な業務だ」と表現する。

貨物が積載されたコンテナ
貨物が積載されたコンテナ
(写真:日本ペイントホールディングス)
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 複雑な規制に準拠した船積計画を立てるには熟練のノウハウが必要となる。このため人手頼みの作業や業務の属人化が課題となっていた。従来は5年以上の経験者を中心に、注文データのPDFを印刷してマーカーを引きながら船積計画を立てていたという。

 日本ペイントGはこうした課題を解消するため2025年5月、AIエージェントの構想に着手した。このプロジェクトでは日本ペイントマテリアルズのほか、グループ会社の国内事業支援を担う日本ペイントコーポレートソリューションズも参画。2025年8月にAIエージェントの開発を始め、日本ペイントマテリアルズ貿易部からのフィードバックを基に改良を進めて、2026年2月の本格運用にこぎ着けた。

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