注目集める「AIエージェント」、一問一答型から自律的なシステムに

日経XTECH / 4/13/2026

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Key Points

  • 生成AIの進化により注目が高まる「AIエージェント」を、ユーザーの目的達成に向けて知覚・判断・行動を自律的に行うAIシステムとして定義する。
  • 従来の生成AIが一問一答型であるのに対し、エージェントは状況理解にもとづき必要情報の収集や外部ツール活用を含む複数ステップでタスク完了を目指す点が特徴。
  • ビジネスでは「人間のアシスタントをデジタル化した存在」として捉えると理解しやすいと整理している。
  • 具体例として営業担当者の指示(取引履歴の整理、競合調査、提案資料作成)を、エージェントが文脈を踏まえて段階的に進められることを対比して説明している。
  • 本特集は定義や構造、設計パターン、導入検討に必要な最低限の技術知識を基礎から解説する構成になっている。

 本特集では、書籍『AIエージェント 設計&実装 完全ガイド』(日経BP)から抜粋した内容を基に、AIエージェントを実装および活用するための基礎知識を解説します。第1回では、AIエージェントとは何なのか、その定義を説明します。

 近年、生成AIの進化に伴い、AIエージェントという言葉が急速に注目を集めています。ですが、その定義や構造、設計パターンについては、まだ十分に整理されていません。

 そこで本特集では、AIエージェントの基本概念を明確にし、導入を検討する企業や組織が理解すべきポイントを解説します。また、AIエージェントの実装に必要な最低限の技術的知識についても触れます。

AIエージェントとは何か

 本特集では、AIエージェントを「ユーザーや環境からのインプットをもとに知覚・判断・行動し、ユーザーが設定した目的達成に向けて適切な応答や行動を自律的に行うAIシステム」と定義します。

 従来の生成AIは、入力に対して出力を返す「一問一答型」でした。一方、AIエージェントは状況を理解し、必要な情報を収集し、外部ツールを活用しながら複数のステップを踏んでタスクを完了できる点が特徴です。

 ビジネスの文脈では、AIエージェントは「人間のアシスタントをデジタル化した存在」と捉えると分かりやすいでしょう。

 例えば、営業担当者が「来週の顧客訪問に対応するために、過去の取引履歴をまとめ、競合情報を調べ、提案資料を作成してほしい」と指示した場合、従来のAIでは個別の質問に答えることしかできませんでした。

 しかしAIエージェントであれば、文脈を把握したうえで、外部リソースを適切に活用しながら関連情報を収集し、段階的に処理を進めてタスクを遂行できます。

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単一エージェントとマルチエージェント

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