トヨタ車体富士松工場、構内運搬車を10年越しでレベル4自動運転化

日経XTECH / 4/1/2026

📰 NewsSignals & Early TrendsIndustry & Market Moves

Key Points

  • トヨタ車体の富士松工場(愛知県刈谷市)で、建屋間の仕掛品運搬を無人化するレベル4自動運転(完全無人運転の特定条件)を2025年春から運用開始した。
  • 導入に際して同社は、安全性、屋外走行(天候・気温変化や悪路への耐性)、1トン以上のけん引・8時間連続稼働、走行経路の柔軟変更、運行状況のモニタリングと異常即時検知の「5つの判断基準」を設定した。
  • 長期探索の結果として適合するシステムが10年間見つからず「困り果てていた」経緯があり、実装段階に到達したことが今回の節目となる。
  • システム提供のeve autonomy(イヴオートノミー)が2026年3月18日に開催したイベント「eve auto world 2026」で、この導入内容が明らかになった。

 工場の建屋間で仕掛品などを運ぶためにフォークリフトなどを走らせる作業は、それ自体が付加価値を生まない一方、なくしたいのになくせない“付随作業”に分類される。トヨタ車体の富士松工場(愛知県刈谷市)は10年越しで建屋間運搬の無人化を試みていたところ、2025年春に至って運用を開始した。2026年3月18日に、無人搬送車のシステムを提供したeve autonomy(イヴオートノミー、静岡県磐田市)が開催したイベント「eve auto world 2026」で明らかにした。

構内の建屋間運搬に導入した、特定条件下で完全無人運転のレベル4の自動運転車と同種の車両(写真:eve autonomy)
構内の建屋間運搬に導入した、特定条件下で完全無人運転のレベル4の自動運転車と同種の車両(写真:eve autonomy)
[画像のクリックで拡大表示]

5つの判断基準で選別

 トヨタ車体は無人搬送車の導入に当たって、5つの判断基準を設けていた。(1)安全性について社内基準をクリアできること(2)屋外を走行できて天候や気温の変化、多少の悪路にも耐えること(3)けん引能力1トン以上で8時間連続稼働できること(4)走行経路を柔軟に変更できること(5)運行状況をモニターできて異常発生がすぐ分かること、である。この判断基準に合うシステムを探したが、10年間見つからずに「困り果てていた」(トヨタ車体組立部組立物流課工長の西浦亨氏)。

トヨタ車体組立部組立物流課工長の西浦亨氏(写真:日経クロステック)
トヨタ車体組立部組立物流課工長の西浦亨氏(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

次のページ

工場一の難所にあえて自動運搬車導入

この記事は有料会員限定です