ソフトバンクが生成AIで特許を大量出願、問われる知財部の役割

日経XTECH / 5/7/2026

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Key Points

  • ソフトバンクグループが多数の特許出願を行っており、その時期や規模から生成AI活用による作成の可能性が示唆されている。
  • 特許明細書のような知的財産実務では、従来は弁理士・特許事務所の人的処理能力に物理的な限界があったが、生成AIがそれを大きく超えうることを示す事例として捉えられている。
  • 知財専門家が介在する「知識集約型サービス」の相対的な付加価値が低下しうるという観点が提示され、法務・知財分野でも同様の影響が広がる可能性が論じられる。
  • 著者は知財部向け研修の実例として、知財部が抱える課題を紹介し、生成AI時代における知財部の役割再定義が問われる状況を示している。

 ソフトバンクグループ(SBG)が多数の特許出願を行っていることが明らかになった。その時期と規模から生成AIを活用して作成された可能性がある特許明細書と考えられる。人間の弁理士や特許事務所が作成するのであれば、1度にこなせる量と質には物理的な限界があるからだ。今回、生成AIは、その限界を大きく超えられることを示した。

 特許出願という実務において、弁理士をはじめとした知財専門家が介在する従来型業務の相対的な価値が低下した事例と捉えることもできる。製造や設計などのハードウエアの領域だけではなく、法務・知財といった知識集約型サービスの領域でも同様のことが起きていると思われるが、ここまで明確に可視化された事例は他にないように思う。

 時期を同じくして、筆者はある会社で知的財産部門(以下、知財部)向けの研修を行った。その時、Aさんという30代の知財担当者から、知財部が抱える課題について次のような話を聞いた。

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知財サービスの付加価値の低下

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