この記事の3つのポイント
- コーディングエージェントがソフトウエア開発の常識を壊している。
- 開発のボトルネックだった下流工程が軽量化され、上流工程にボトルネックが移った。
- 上流は価値を生み出す源泉であり、エンジニアにも役割の変化が求められる。
AI(人工知能)エージェントの台頭が、ソフトウエア開発の常識を壊しつつある。開発におけるボトルネックが要件定義や基本設計といった上流工程に移動しているのだ。これまで開発において多くの労力を投じてきたのは下流工程の「実装」だった。設計が固まった後、コードを書き、テストし、不具合を修正する工程に多くの人手と時間を投じてきた。しかし、コーディングエージェントの実用化で、実装工程は急速に軽量化。テストコードの生成や影響範囲の分析などもAIが担い始めた。
ソフト開発のボトルネックは下流工程から上流工程へ。この構造変化を象徴するのが、みずほ証券とぴあの事例だ。両社はAIエージェントの導入を通じて、開発の重心を実装から設計へ移行しつつある。
みずほ証券は仕様駆動開発を推進
「ソフト開発の全工程をAI駆動にする」――。みずほ証券の杉谷剛IT・システムグループ上級技術統括はこう話す。
みずほ証券は2025年12月、米Cognition AI(コグニションAI)のAIエージェント型ソフトウエア開発支援ツール「Devin」を導入した。2026年1月時点では同社IT部門の約70人にDevinを展開済みで、4月には本番環境のシステム開発業務でDevinの利用を始める。
Devinの導入に伴い、ソフト開発プロセスを「AI駆動」へ抜本的に改革する。2026年度前半は、仕様書に基づいて開発する「仕様駆動開発」のPoC(概念実証)を開始。要件定義などの上流工程、結合テスト・総合テストといった下流工程でDevinとは異なるAIを活用する予定だ。2026年度後半には、上流工程からテスト工程までをAIに担わせる構想だ。
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