「一番になりたい」──孫正義氏が語った野望 OpenAI「10兆円超」などAI革命への投資が徐々に結実

ITmedia AI+ / 4/2/2026

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Key Points

  • 孫正義氏は新入社員に対し、AIを動かすモデルやチップ、そして数億〜数十億規模の連動で“強烈な大脳”となるデータセンターを構築する構想を語り、SBGがAI革命の中核に入りたいと示した。
  • SBGはOpenAIへの出資が累計646億ドル(約10兆1500億円)、持分比率約13%に達し、OpenAIの好調さと追加の大規模資金調達(総額1220億ドル)を追い風にAIインフラ拡充を進める見通しが示された。
  • SBG傘下のArmはAI向け新CPU「AGI CPU」を発表し、ライセンス販売中心から初めて自社販売にも踏み出したことが、推論処理やAIエージェントの大規模運用への期待と結び付けられている。
  • AIデータセンター整備として米オハイオ州での投資(データセンターと消費電力を賄う火力発電所の建設)を挙げ、エッジ側(スマホ・自動車)とデータセンター側AIの連携が重要だと説明した。

 「チップ、それを動かすモデル、そしてそれらを数億、数十億の規模で連動させて、データセンターとして強烈な大脳を構築する」――ソフトバンクグループ(SBG)会長兼社長の孫正義氏は4月1日、新入社員に向けてこう語った。

 孫氏は、AI革命において「たった10社くらいが世界経済の中心的な役割を担うようになる」として、SBGがその中の1社になりたいと述べる。その構想を実現するために投資してきたAI向け半導体、AIモデル、データセンター事業などが実を結び始めた。

photo 新年度のあいさつする孫氏(出所:プレスリリース)

「一番になりたい」──孫正義氏が語った野望

 SBGによる米OpenAIへの出資額は、累計646億ドル(約10兆1500億円)に上り(2026年2月末時点)、株式の持分比率は約13%に達する。「ChatGPT」の週間アクティブユーザー数は9億人を超えるなど、OpenAIは好調だ。孫氏は「世界をリードする米OpenAIの主要な株主になっています」と強調した。

 OpenAIは3月31日、総額1220億ドル(約19兆4600億円)を新たに調達すると発表した。この資金調達は、SBGに加えて米Amazon.com、米NVIDIAなどが中心を担った。得られた資金でAIインフラを拡充する計画だ。

photo 2025年7月のイベントで対談する孫氏とOpenAIのサム・アルトマンCEO(アイティメディア撮影)

SBG傘下のArmが新CPUを発表 製品名に「AGI」

 3月、サプライズがもう一つあった。SBG傘下の半導体企業である英Armが、AI向けの新CPU「AGI CPU」を発表した。同社は半導体を設計して、そのライセンスを半導体メーカーに販売するビジネスモデルを採っている。米Appleや韓国のSamsungなどにライセンスを提供しており、スマートフォン向け半導体の大多数にArmの設計図が採用されている。

 これまでライセンス販売だけにとどまっていたArmが、初めてCPUの自社販売にかじを切った。

 「ついに今年AGI(汎用人工知能)が来るだろうということで、あえて『AGI CPU』というブランドネームでデータセンター用のCPUを出しました」(孫氏)

 AGI CPUは、主にAIエージェントの処理を想定している。GPUは機械学習などAIモデルを作る作業に向いているのに対して、CPUはAIモデルを実行する際の推論処理を得意とする。AIエージェントの複雑かつ大規模な処理をこなす際に、AGI CPUが大きな役割を果たすと孫氏はみている。

AIデータセンターと火力発電所も建設

 孫氏は、AI革命を成し遂げるために「データセンターの高度なAI」と「スマホや自動車といったエッジ側のAI」を連携させることが重要だと説く。そこでスマホ向け半導体に強みがあり、AGI CPUを開発したArmが価値を発揮するというのだ。

 データセンターについては、米オハイオ州にAIデータセンターを整備する。日米政府間で取り交わされた総額約85兆円の対米投資の第一弾であり、データセンターとその消費電力を賄う火力発電所を建設する。

 こうした投資を振り返った上で、孫氏は「次の30年、われわれはAI革命の中心となることを目指します。願わくは、一番になりたい」と結んだ。

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