防衛省・自衛隊のAI活用推進などを盛り込んだ自民党のAI政策に関する新たな提言案が4月22日、判明した。抑止力向上に向けて、従来の「(情報)ネットワーク中心の戦い」から「AIおよびデータ中心の戦い」への転換を要請。米イスラエルの対イラン軍事作戦で情報分析や標的選定にAIが本格投入されている状況を念頭に、日本でも対応を急ぐ。
自民は週内にもデジタル社会推進本部の「AI・Web3小委員会」(平将明委員長)を開き、提言案「AIホワイトペーパー2.0」を取りまとめる。政府が年内に改定する「安全保障関連3文書」や、AIの国家戦略「AI基本計画」に反映させたい考えだ。
提言案では、米軍が情報収集や指揮統制、サイバーなどで幅広くAI活用に取り組んでいることに触れ、「数多くの国が追随することが想定される」と指摘。防衛省・自衛隊でのAI活用が遅れれば、「防衛力の相対的な低下につながる恐れがある」と懸念を示した。
今後の取り組みの方向性として防衛力整備や自衛隊の戦い方の指針となるドクトリン(教義)、平時の訓練などでもAI活用を進めるよう求め、「AIを統合作戦基盤として活用する段階へ移行する」とした。
AI活用の前提となるデータを集約化するため、防衛省内の担当部署を明確化し、権限付与の検討も必要だと明記。人材育成・配置の見直しに加え、最新のAIモデルなどを活用できる調達制度の検討も提案した。
部隊を動かす指揮統制システムをめぐっては、同盟国との相互運用性を高めるため、「同盟国の先進的ソフトウエアとの接続性」を考慮すべきだとの認識を示した。一方で、機微データの保管やアクセス制御といった中核部分は自律性を確保する必要があるとした。
提言案は、交通、金融、教育、科学研究などでのAI活用の方向性も記述した。全体の前文では、全てのAI領域の国産化を目指すのは「現実的でも戦略的でもない」と提起し、特定国への全面依存を避けつつ国産化も取り入れる「開かれたAI主権」を訴えた。国の司令塔機能強化の必要性にも言及した。
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