ガチ創作勢に聞いた! WEB小説家のAIの使い方
“頼らないために使う”という発想
AIが当たり前になった今、創作の現場でもその存在感は急速に広がっている。
しかし同時に、こんな声もよく聞く。
「AIに頼ると、自分の実力が落ちるのではないか」
「AIが書いた文章は、自分の作品とは言えないのではないか」
この不安は、真剣に創作と向き合っている人ほど強い。
だからこそ今回は、いわゆる“ガチ創作勢”日常的にWEB小説を書き続けている人たちの実際の声をもとに、「AIをどう使っているのか」を整理した。
結論から言えば、多くの人がAIを“代筆者”ではなく、“アシスタント”として使っている。
そしてこの使い方こそが、創作を壊さず、むしろ加速させるポイントだと感じている。
「書かせない」という前提から始まる
まず最も印象的だったのは、「AIに本文は書かせない」というスタンスだ。
これはかなり共通していた。
理由はシンプルで、「自分の文章でなくなるから」。
小説において文章は単なる情報ではない。リズム、語彙、余白、感情の滲み方。
それらすべてが“その人の作品”を構成している。
AIに本文を書かせた瞬間、それは均質化される。
読みやすくはなるかもしれないが、「その人である必要」が薄れる。
だから多くの創作者は、AIに“書かせる”のではなく、“支えさせる”という使い方をしている。
ここを履き違えると、確実に創作は崩れる。
プロット整理の壁打ち相手として使う
最も多かった使い方がこれだ。
「プロットの相談相手」。
・この展開は不自然ではないか
・キャラクターの動機に矛盾はないか
・別の展開案は考えられるか
こうした問いをAIに投げる。
重要なのは、「答えを採用するかどうかは自分で決める」という点だ。
AIはあくまで視点を増やす装置に過ぎない。
例えば、自分では思いつかなかった展開を提示されることもある。しかし、それをそのまま使うのではなく、「なぜそれが提示されたのか」を考える。
このプロセスが、結果的に作品の精度を上げる。
人に相談するのと似ているが、AIは時間も気を遣う必要もない。だからこそ、思考を止めずに済む。
これはかなり大きい。
設定・資料整理の補助として使う
次に多いのが、設定周りの補助だ。
特にファンタジーや歴史系では、設定の整合性が重要になる。
・文化や制度のリアリティ
・名前の一貫性
・世界観の矛盾チェック
これらをAIに整理させる。
自分の頭の中だけで管理していると、どうしても抜けや矛盾が出る。そこを客観的にチェックさせる役割として使う。
また、「この設定に似た事例はあるか」といった調査的な使い方も多い。
ここでのAIは、“記憶の外部化”に近い。
自分の脳の負担を減らし、本来使うべきところ——つまり創作そのものに集中できるようになる。
行き詰まりの突破口として使う
創作において最もつらいのは、「手が止まる瞬間」だ。
展開が思いつかない。キャラクターが動かない。何を書けばいいか分からない。
このとき、多くの人は無理に書こうとして余計に詰まる。
そこでAIを使う。
・この状況から考えられる展開をいくつか出してほしい
・このキャラならどう行動するか意見がほしい
こうした問いを投げることで、「完全な停止状態」を回避する。
ここで重要なのは、AIの案が“正解”ではないということだ。
むしろ、違和感のある案でもいい。それがきっかけになって、自分の中の別のアイデアが動き出す。
つまりAIは、「答えを出す装置」ではなく、「思考を再起動する装置」として機能している。
推敲・客観視の補助として使う
書き上げたあとにもAIは使われている。
・文章の冗長な部分の指摘
・分かりにくい箇所の洗い出し
・読者視点での違和感の提示
これはかなり有効だ。
なぜなら、自分の書いた文章は、自分では客観的に読めないからだ。
ただしここでも、「修正するかどうかは自分で決める」。
AIの指摘をすべて採用すると、文章は整うが“個性”が削れることがある。
だから取捨選択が必要になる。
このバランス感覚こそが、AI時代の創作者に求められるものだと思う。
私の考え——AIは“創作を奪うもの”ではない
ここまで整理して感じたのは、AIは創作を奪う存在ではないということだ。
むしろ逆だ。
「創作の負担を減らし、本質に集中させる道具」である。
・悩む時間を減らす
・調べる手間を減らす
・詰まる時間を短縮する
その結果、より多くの時間を「書くこと」に使える。
ただし一つだけ、明確に線を引く必要がある。
それは、「どこまでを自分がやるのか」という意識だ。
ここが曖昧になると、創作は簡単に崩れる。
逆に言えば、この線引きさえできていれば、AIはいくらでも強力な味方になる。
まとめ
WEB小説家にとってのAIは、代筆者ではない。
あくまでアシスタントだ。
・プロットの壁打ち
・設定整理
・行き詰まりの打開
・推敲の補助
こうした部分で支えてもらいながら、核となる「書く」という行為は自分で行う。
この役割分担が、現在の最適解に近いと感じている。
そして最後に一つだけ言いたい。
AIを使うかどうかよりも重要なのは、「自分が何を書きたいのか」だ。
そこが曖昧なままでは、どんなツールを使っても作品はブレる。
逆に、そこが定まっていれば、AIは確実に創作を加速させる。
使うか、使われるか。
その違いは、思っている以上に大きい。
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