ついにクラウド料金の値上げが始まった。次の焦点は米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)や米Microsoft(マイクロソフト)、米Google(グーグル)といった大手クラウド事業者の動向だ。3社とも値上げに対して沈黙を貫くが、グーグル傘下のGoogle Cloudは2026年5月からデータ転送サービスの値上げを実施。一方でトップは「データセンターに対して原油価格上昇を懸念することはない」と強調した。
「小規模クラウド事業者が(サーバーなどの)価格上昇をユーザーに転嫁するのは世界的なトレンドだ」。調査会社の英Omdia(オムディア)でインフラ担当のシニアリサーチディレクターを務めるウラジーミル・ガラボフ氏(肩書は取材当時)は、欧州でこの春に相次いだクラウド値上げが一過性のものではなく、「少なくとも2026年内はITインフラコストの上昇が続く」とみる。
欧州・中国でクラウド値上げラッシュ
2026年4月には、ドイツのHetzner(ヘッツナー)やフランスのOVHcloud(OVHクラウド)といったクラウド事業者が、AI(人工知能)需要によるDRAMやNVMeストレージの供給逼迫を背景にクラウド料金を値上げした。ヘッツナーは汎用小型クラウドサーバー「CX23」の価格を3割程度引き上げた。ヘッツナー広報は「ハードウエア部品の購入価格が異常に高騰しているため、(同社のビジネスに関する)モデルが大きく阻害されている」と回答した。
2社に前後して、ドイツのIONOS(イオノス)やフランスのScaleway(スケールウェイ)などが相次いで値上げを表明。欧州では値上げラッシュが続く。
同時期に中国の大手クラウド勢も一斉に値上げに踏み切った。アリババ集団、百度(バイドゥ)、騰訊控股(テンセント)はそれぞれ傘下のクラウドサービスの価格を2026年4月中旬から5月中旬までに引き上げた。中国メディアは、アリババ集団傘下のAlibaba CloudによるAI向けサーバーの値上げ幅が最大で34%になると報じている。
従来クラウドサービスは、サーバーやネットワーク、電力を一度に大量調達して大型データセンターを運用するため、規模の経済が働き単価が下がりやすいビジネスモデルだった。例えば最大手のAWSは、2006年のサービス開始から2023年までの18年間で、規模の経済によって134回の価格改定(実質的な値下げ)を実施している。
オムディアのガラボフ氏は「クラウド料金の長期的な下落傾向が終焉(しゅうえん)するかどうかは見通せない。ハードウエアコストの上昇が続く一方で、チップメーカーや開発者の注力によって、トークン当たりのコストは下落するはずだ」と読む。
次は大手3社の動向が焦点となる。まず、2026年5月1日に一部サービスを値上げしたグーグルの動きを見てみよう。
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Google CloudのCEOに直撃「中東情勢...この記事は有料会員限定です


