LINEヤフー、新AIエージェントを発表 Gemini、ChatGPTに「負けない強み」とは?

ITmedia AI+ / 4/21/2026

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Key Points

  • LINEヤフーは新AIエージェント「Agent i」を発表し、LINE/Yahoo! JAPANなど同社サービスから起動でき、買い物・旅行ルート提案・株価に基づく金融支援などをチャットでサポートする。
  • 差別化として、OpenAIのChatGPTやGoogleのGeminiといった既存AIエンジン“そのもの”ではなく、LINEの月間アクティブユーザー1億超やYahoo! JAPANの日間ユニークブラウザ1億500万などの圧倒的な既存ユーザーベースとサービス導線を強みとしている。
  • 100以上の生活関連サービス(ニュース、天気、ショッピング、金融等)とデータベース、さらにソフトバンク連携(PayPayや通信キャリア連携の検討)により、問い合わせや決済・予約など“コンバージョンまで完結”させやすい点を訴求する。
  • 法人向けでは「LINE for Business」の公式LINEアカウントが100万以上あることを背景に、店舗予約や企業への問い合わせ対応にも接続させる見込みだ。
  • Agent iは無料提供を基本としつつ、LYPプレミアム等の有料領域での高機能提供やAI広告メニューの検討で収益・コストバランスを図る方針を示した。さらに“数万のエージェントが動く仕組み”の構築を目指す考えを述べている。

 LINEヤフーは4月20日、新たなAIエージェント「Agent i」を発表した。「LINE」「Yahoo! JAPAN」などの同社サービスから起動でき、チャット形式で「買い物のサポート」「旅行ルートの提案」「株価に基づくファイナンス支援」などを支援する。

 同日の発表会に登壇した同社の慎ジュンホ氏(CPO:最高製品責任者)は、米OpenAIの「ChatGPT」や米Googleの「Gemini」との差別化について「既存のAIエンジンだけでは実現できない、LINEヤフーの強みがあります」と語った。

 AIエージェントの提供で後発となったLINEヤフーは、国内市場における優位性をどこに見いだしているのか。

photo 4月20日の発表会に登壇した、LINEヤフーの慎ジュンホCPO(アイティメディア撮影)

新AIエージェント Gemini、ChatGPTに「負けない強み」とは?

 Agent i最大の優位性として同社が挙げるのが、既存ユーザーの数だ。LINEは月間アクティブユーザーが1億人を超え(2025年12月末時点)、Yahoo! JAPANの日間ユニークブラウザ数は1億500万ブラウザに上る(四半期平均)。普段使いするツールの延長でAIエージェントが使えるようになるといい、慎氏は「全ての場面で日常生活に寄り添うサービスにすることを目指します」と意気込んだ。

 同社は100以上のサービスを運営しており、ニュース、天気、ショッピング、金融など日常生活に必要な情報をそろえている。親会社であるソフトバンクとのシナジーも活用して「PayPay」など決済サービスや通信キャリアとの連携も検討している。

photo LINEに搭載されるAgent iの起動ボタン(出所:LINEヤフーのプレスリリース)
photo Yahoo! JAPANに搭載されるAgent iの起動ボタン(出所:LINEヤフーのプレスリリース)

 法人向けサービス「LINE for Business」にひも付く企業の「公式LINEアカウント」の数が100万以上ある。Agent iと接続させることで「店舗の予約」「企業への問い合わせ」もサポートできるようにする見込みだ

 「LINEヤフーは、AIエンジンだけでなく、実際にユーザーが日常生活で必要なサービスとデータベースを保有しています。コンバージョン(目標達成)まで完結させられるのは、既存のAIエンジンだけでは難しいでしょう」(慎氏)

「数万のエージェントが動く仕組みを作る」

 同社は、Agent iを無料で提供する。高機能なサービスを有料会員サービス「LYPプレミアム」の登録者向けに提供したり、AI向け広告メニューを検討したりして、コストバランスを保つと慎氏は説明する。

 一般ユーザー向けのAgent iに加えて、法人向けサービスも提供する予定だ。LINE公式アカウントの対応をAIが担う「LINE公式アカウント AIモード」、店舗の電話対応をAIで代替する「LINE AI予約」、マーケティング施策や広告運用を支援する「Agent i Biz」を用意している。既にサントリーやセブン‐イレブン・ジャパンなど20社以上に試験提供している。

 同社は、2026年上期中に20以上のエージェントの実装を目指す。慎氏は「誰でも使える『エージェント作成ツール』を提供して、数万のエージェントが動く仕組みを目指します」と意気込む。Agent iによって、国内ユーザーのAI利用を加速させられるか。

photo Agent iの展望(4月20日の発表資料、アイティメディア撮影)

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