米Meta(メタ)の広告売上高が2026年には、米Google(グーグル)を上回る――。米国の調査会社であるEmarketer(イーマーケッター)が2026年4月13日(米国時間)、そんな予測を発表した。メタ好調の原動力となっているのは、広告事業におけるAI(人工知能)活用だ。実はメタは、AIの勝者だったのだ。
イーマーケッターは各社の「純額ベースの世界広告売上高(Net Ad Revenues Worldwide)」を推計している。それによれば2025年の売上高はグーグルの2140億6000万ドル(約34兆円)に対してメタは1961億7000万ドル(約31兆円)であり、グーグルがメタを上回っていた。
それが2026年にはグーグルの広告売上高が前年比12%増えて2395億4000万ドル(約38兆円)になるのに対して、メタの広告売上高は同24%増えて2434億6000万ドル(約38兆7000億円)に達し、メタがグーグルを初めて上回ると予測する。
実はイーマーケッターが定義する純額ベース(ネット)の広告売上高は、各社が決算で報告する広告売上高とは金額が異なっている。
計算式はグーグルにとって不利だが
グーグルの親会社である米Alphabet(アルファベット)が2026年2月4日(同)に発表した2025年12月期決算の年次報告書(10-K)によれば、グーグルの広告売上高は2946億9100万ドルであり、イーマーケッターが推計する純額ベース広告売上高を800億ドル以上も上回る。
一方、メタが2026年1月28日(同)に発表した2025年12月期決算の年次報告書によれば、同社の広告売上高は1961億7500万ドルであり、イーマーケッターが推計する純額ベースの広告売上高とほぼ一致する。
これはイーマーケッターが純額ベースの広告売上高を算出する際に、決算上の総広告売上高から、各社が自社のサイトやサービスにユーザーを呼び込むために他社に支払ったコストであるTAC(Traffic Acquisition Costs)などを除外しているためだ。
グーグルは自社の検索エンジンをWebブラウザーや端末のデフォルトにしてもらうために、米Apple(アップル)をはじめとするスマートフォンメーカーやWebブラウザー開発企業に対して巨額のTACを支払っている。2025年12月期の年次報告書によれば、TACの総額は599億2600万ドルにも達する。
イーマーケッターはグーグルが決算で発表するTACに加えて、グーグルがYouTubeに関連してコンテンツの権利者などに支払っている費用なども純額ベースの広告売上高から除外している。そのためグーグルにおける純額ベースの広告売上高は、決算上の広告売上高よりもかなり小さくなっている。
一方でメタに関しては、グーグルのようにTACをスマホメーカーなどに支払っていない。またメタもInstagramの動画配信者などに広告収入の一部を支払っているのだが、そうした支払いについてイーマーケッターは、純額ベースの広告売上高から除外していないようだ。
イーマーケッターによる純額ベースの広告売上高は、グーグルにとって不利な計算式で算出されている。それでもメタがグーグルを上回るというのは、画期的なことだと言えるだろう。
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