米OpenAIのサム・アルトマンCEOは4月11日(現地時間)、個人のブログで、The New Yorkerによる同氏に関する記事や自宅への火炎瓶投げ込み事件について語った。The New Yorkerの長編記事は、AI業界で絶大な影響力を持つアルトマン氏の特異な経営手法や、周囲を丸め込む比類のない説得力について掘り下げたものだ。同氏のビジネスの才覚を高く評価する声がある一方で、かつての同僚からは同氏に「人を欺くパターン」があり、人類の存亡に関わる技術を託すには危険だという警告も出されており、同氏の光と影を描き出している。
サンフランシスコ警察の発表によると、火炎瓶の投げ込み事件は4月10日の午前3時45分ごろ、サンフランシスコにあるアルトマン氏の自宅で発生した。火炎瓶は家の外門に当たって火災を発生させたものの負傷者はなく、事件から約1時間後にOpenAI本社で建物を燃やすと脅していた20歳の容疑者が逮捕された(米CNBCより)。
アルトマン氏はブログで、自身への扇動的な記事が世間の不安を煽り、結果的に自身を危険に晒した可能性があると指摘している。一方で、今後の襲撃を思いとどまらせる目的で家族の写真を公開し、AIに対する世間の恐怖や不安、反テクノロジーの感情は正当なものであると一定の理解を示した。また、これまでの自分は「争いを避けたがる」傾向にあったことや、過去の取締役会との対立などでの自身の失敗や非についても認めつつ、物理的にも比喩的にも「爆発」を減らし、冷静な議論を行うよう呼びかけている。
さらに同氏は、AI業界内で繰り広げられている激しい覇権争いについて、「ロード・オブ・ザ・リング」などに登場する「Ring of Power」(権力の指輪)の力学を引き合いに出して言及した。AGI(汎用人工知能)の可能性を目の当たりにすると、人々は「自分がAGIをコントロールする存在になる」という考えに取り憑かれ、常軌を逸した行動をとるようになると分析している。この問題への唯一の解決策として、アルトマン氏は技術を広く人々と共有し、民主的なプロセスによる主導権を維持することで、「誰も指輪を持たないようにする」ことの重要性を強調した。
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